このところ各国で法的な立場や扱いなどインフラ整備が進められているビットコイン。こういった普及が進む反面、著名な投資家や専門家などの中には懐疑的な見解を持つ方も少なくない。

12日、米ニューヨークで行われた投資家会議の中でJPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン氏が「ビットコインは詐欺」「チューリップ・バブルより悪い」と語ったという。Bloombergにより伝えられている。

ダイモン氏に限らず、しばしばビットコインをチューリップ・バブルと比較する意見も見られるが、無価値のものに群がっていたチューリップ・バブルとは似ても似つかないものではないだろうか。

例えば同じバブルとして考えるのであれば、20年前のドットコムバブルと似ているとの見方もある。StandpointResearchのロニー・モアス氏は、この見解を示しておりAmazonやMicrosoftなど有望な企業が大きく成長し、乗り遅れた多くの企業はなくなったと伝えている。

ダイモン氏は以前からビットコインに懐疑的な見解を示していたが、今回は特に強く言及しており、JPモルガンのトレーダーがビットコインの取引を行った場合は即解雇するとまで語っている。しかし、ビットコインの根幹であるブロックチェーン技術に関しては前向きに考えているようだ。

また、皮肉にも元JPモルガンのストラテジスト、トーマス・J・リー氏は、ビットコインは2018年の中ころには6,000ドル(約66万円)まで価格を上げるとの予測をしている。

ビットコインを巡ってバブルだとする意見は多くあり、米ユーロ・パシフィック・キャピタルのCEO、ピーター・シフ氏は2013年にビットコインが100ドル(約1万1,000円)以下のころからバブルを懸念し、現在も警鐘を鳴らし続けている。賛否両論あるが多くの専門家が、ビットコインについて意見を交わし合う機会が増えたことは素晴らしいことではないだろうか。

13日13時現在ビットコイン(BTC)は3,970ドル(約43万8,000円)と、4,000ドルを下回った。(CoinMarketCapの統計より)

仮想通貨市場全体的にも下落傾向にあるので、このあたりで購入を考えている方からはもう少し様子見で底を拾いたいという声も見られるが、「もうはまだなり、まだはもうなり」とも言うので慎重な判断が求められる。市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。

参考:Bloomberg