12日、英国のFCA(金融行為監督機構)がICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)のリスクに関して注意喚起した。

まず、ICOは非常にリスクが高く、投機的なものであるとした上で大きく6つに分けて説明されている。英国でも日本でもICOは危険な投資というイメージが強い。以下がFCA発表の主な内容なので、ICOのリスクについて知っておきたいという方はご参考頂きたい。

1、FCA規制の管轄外

ICOを行う企業の多くは規制されていない海外に拠点を置く事例が多く、FCAによって規制の管轄外となってしまう。

2、投資家保護の対象外

FOS(金融オンブズマンサービス)やFSCS(金融サービス補償機構)といった英国内での投資家保護の対象外となる。

3、ボラティリティ

仮想通貨はボラティリティ(価格変動率)が高く、とくにICOに至っては極端に変動することもある。

4、詐欺が多い

資金調達のみを目的として実際にプロジェクトで資金を使わないICOなど、詐欺的なものが多い。

5、不完全なホワイトペーパー

ICOを実施するにあたって、企業側はプロジェクトの概要をホワイトペーパー(目論見書)を公開するが、不完全であったり誤解を招く内容のものも多い。

6、未熟なプロジェクト

ICOで資金を集めるプロジェクトは開発前など初期段階のものもあり、ビジネスモデルも実験的である。場合によっては出資額全てを失うこともある。

上記6点に加えて、詐欺だと疑わしいICOについてはFCAに報告するようにも呼びかけている。日本国内でも英国のICOとの共通点が、いくつか見当たるかと思われる。

ICOは基本的に見返りを求めた投資というよりも、プロジェクトを応援する募金のようなものと考えた方が健全かもしれない。トークンを大量に買ったはいいが、後々値段がつかないといったことで損したという方も少なくない。

世界各国で仮想通貨やICOに対する規制など投資家保護や犯罪防止のために法整備が進められている。英国ではICOについて多くの課題があるとし、2017年内には方針を公表するという。

参考:FCA