米金融大手のJPモルガン・チェースのCEOである、ジェイミー・ダイモン氏はこれまで仮想通貨ビットコインに対して懐疑的な発言で知られていますが、今では認識を改めてきているように見られます。

9日のFox Businessのインタビューの中でビットコインに対しての見解を以下のように述べました。

「(ビットコインを詐欺だといったことを)後悔しています。ブロックチェーン技術は本物です。暗号化された円やドルのようなものもあり得ます。」

ビットコインの根幹技術であるブロックチェーンを活用することで、中央銀行や政府によるデジタル通貨の発行なども技術的には可能であるという点にも触れ、以下のように付け加えました。

「ビットコインが、本当に大きくなり、政府が重要視すれば私も政府と同じように感じるでしょう。他の方とは見解が異なります。これについてはまだ興味がありません。」

ダイモン氏はしばしば、ビットコインについて懐疑的な意見をしており、特に昨年9月の、「ビットコインは詐欺です。チューリップ球根より悪い。」という発言はインパクトが強く話題になりました。この時には1BTC=4,000ドル(約45万円)ほどでしたが、昨年末にかけて価格は上昇していきました。

10月には、「ビットコインについてはもう話しません。」と言った翌日に「ビットコインを買う人は愚かです。いつかその代償を払うことになるでしょう。」と立て続けにビットコインについて話しています。

その後、ダイモン氏からは直接のコメントは確認されなかったものの、CMEグループのビットコイン先物をJPモルガンで取次業務を行う可能性についても伝えられていました。

12月には、ビットコインに対して懐疑的な姿勢は変わらないとしながらも「適切に管理・規制されれば、仮想通貨の使用には寛容的であります。」とも話しています。この頃には1BTC=17,000ドル(約192万7,000円)ほどでしたので、価格が上がってから見直したのではないかという見解もありました。

どのような意図があってこのように発言を繰り返しているのか真意は定かではありませんが、ポジショントークではないか?との指摘もされています。

今回は「ブロックチェーンは本物」ということを述べていますが、JPモルガンでは以前からブロックチェーン技術の開発・研究に取り組んでいることでも知られています。

参考:Fox Business