米金融大手JPモルガンのCEO、Jamie Dimon(ジェイミー・ダイモン)氏は、業界の中ではビットコイン懐疑派として有名であり、批判的な発言をしてきたことで知られている。

昨年9月に「ビットコインは詐欺」と呼び、以降ビットコインについて言及することを控えると語っていたダイモン氏。今年1月には、ブロックチェーン技術は認めながらもビットコインには興味ないと語っている。

しかし、米の経営学誌Harvard Business Reviewの7,8月号のインタビューにて、「本当はあまり仮想通貨について語るべきではないと思うのだが」と前置きした上で、仮想通貨についての見解を述べ、改めて仮想通貨に対して批判的な立場を表した。

「仮想通貨は“金”や“法定通貨”ではない。金や法定通貨は法律、警察、裁判所によってサポートされており、複製が不可能である。しかし、ブロックチェーンは違う。ブロックチェーンは本物だ。これまで多くのテストを重ねており、今後も様々なことに使用していく。」

今年の6月には、同じく仮想通貨に対して懐疑的な見解を示している投資家のウォーレン・バフェット氏とのインタビューの中で、「注意するべき」と一言だけ述べて警戒を呼びかけたダイモン氏だったが、今回の声明は珍しく多弁であった。「詐欺である」と改めて述べると、資産は「全く価値がない」と指摘し、価値のない資産に投資している支持者に対して「馬鹿げている」と扱き下ろした。

ダイモン氏のブロックチェーンに対する好意的な姿勢と、仮想通貨に対する批判的な姿勢は2015年頃から一貫して変わってないが、今回JPモルガンのアナリストは仮想通貨が消滅しそうにないとの報告も発表しており、JPモルガンの仮想通貨に対する公式の立場とダイモン氏の意見は必ずしも一致していない。

しかし、2008年の金融危機でも一番影響を受けなかった大手JPモルガンと、そのCEOであるダイモン氏の見解は、今後も注目する必要がありそうだ。

参考:CCN