仮想通貨のビットコインを巡り、懐疑的な意見や、支持する意見、バブルを懸念する意見や、その他にもさまざまな議論が日々交わされている。

ビットコインの価値の源泉は何なのか。価値が保存されていない。といった見解や、ビットコインは電気代が価値だという理屈や、上限が設定されていてマイニングができる採掘量が決まっているため、需要が増えれば価値が上がるなどといった話も散見される。

ビットコインは分岐のリスクがあるため、発行上限はあってないようなものだという暴論も混ざることもあるが、正論でもあるかもしれない。こういった議論は市場の発展にも必要であり、考えさせられるものがある。

世界34カ国以上で7万人以上の従業員を持つ世界有数の金融グループRBC(カナダロイヤル銀行)のCEOであるDavid McKay(デビット・マッケイ)氏がビットコインについて以下のように話した。

「ビットコインは何かを騙しているわけではないので、私は詐欺とは呼ぶことはありません。人々はビットコインに価値を付けていますので、詐欺というのは間違えた表現です。」

これは先月、「ビットコインは詐欺」としたJPモルガンチェースCEOであるジェイミー・ダイモン氏の言葉を受けての発言を意識しているようだが、ダイモン氏は以前からビットコインに懐疑的な発言をしており、また、詐欺と言ったことで市場を混乱させてしまったことから、「ビットコインのことは話さない」と言った翌日には、「ビットコインを買うのは馬鹿」と言い放った。

ダイモン氏ほどの立場の人がこういった発言をすることで、市場では再度混乱の声や、この一連の流れを面白いと笑う声も聞かれたが、影響力が強いことは間違いないだろう。ちなみにダイモン氏はチューリップ・バブルを引き合いに出したが、ある種の暴論とも思われる。

マッケイ氏は、ビットコインは詐欺ではないとしたうえで、以下のようにも話している。

「ビットコインが通貨として何をするべきか、見通しが不透明で非常に多くの懸念があります。どのように使用していくのか、私たちが解決していかなくてはいけません。」

この解決策としてカナダロイヤル銀行は、現在進められているブロックチェーン技術を活用した銀行間の送金ネットワークを検討しています。具体的な取り組みとしてはRipple(リップル)社が取りまとめるグローバルな銀行間送金のコンソーシアム「Global Payments Steering Group(GPSG)」に参加し、国境を越えた送金の普及に向けて活動している。

GPSGには、カナダロイヤル銀行の他にも、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、サンタンデール銀行、ウニクレディト、スタンダードチャータード銀行、ウエストパック銀行、三菱東京UFJ銀行など、いずれも大手銀行が参加している。

この取り組みについて、Rippleの共同設立者であるChris Larsen(クリス・ラーセン)氏は次のように話している。

「今日、人々はインターネットのスピードで送金することを望んでいます。それを実現させるため、私たちはトップバンクと協力し、より早く国境を越えた送金システムの構築に取り組んでいます。」

カナダロイヤル銀行だけでなく、多くの国や金融機関などが国境を越えた銀行間での送金にブロックチェーン技術を活用するべく実証実験を行っている。今、従来の送金システムが見直されている時期なのかもしれない。今後ますますの技術発展に期待が集まっている。

参考:cryptocoinsnews