23日、サウジアラビアのアブドゥルアズィーズ・イブン・サウード初代国王を祖父に持ち、自身もアラブ一の資産家である、アル=ワリード・ビン・タラール王子がCNBCのインタビューの中でビットコインについて言及したことが分かった。

昨今、価格の高騰からビットコインに対し過熱を懸念する声が強まってきているが、アル=ワリード王子は自身の見解を以下のように語った。

「私はビットコインを信用していません。いつかエンロンのように崩壊すると思っています。」

エンロンは2001年12月に破綻した米テキサス州のエネルギー・IT企業。米国有数の大企業だったが、不正経理や不正取引などによる粉飾決算が表面化し、その負債総額は400億ドル(約4兆5,000億円)にまでのぼったと言われている。(負債総額は諸説ある)この一連の事件はエンロンショックとも呼ばれ、米国史に残る最大の企業破綻である。

これと、ビットコインを同列にするべきかは個人の見解にもよるが、少々意地悪な気がしないでもない。JPモルガン・チェースCEOであるジェイミー・ダイモン氏の発言に同意したものだという。ちなみにJPモルガンではビットコインの根幹技術であるブロックチェーンには深く理解しており、技術開発に取り組んでいる。

また、アル=ワリード王子は以下のように付け加えた。

「このシステムには合理性がありません。ビットコインはFRB(米連邦準備制度)や中央銀行などによる規制がなく、管理・監督もされていません。」

ビットコインはブロックチェーン技術により、台帳が分散化され複数のコンピューターにより管理されているため、政府や中央銀行といった管理者がいないことが、最大の特徴でもあるわけだが、アル=ワリード王子はこのようなエコシステムには理解がないのだろうか。

また、アル=ワリード王子は投資家として非常に優れていることから「アラブのウォーレン・バフェット」とも言われており、バフェット氏もビットコインには懐疑的な見方をしている。

ビットコインは本日24日にビットコインゴールドと分裂し、現在ビットコインは65万円ほどを推移している。一時的な下落は観測されたが、すでに取り返し、再度高値を伺う姿勢だ。市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。

参考:CNBC