米金融大手のJPモルガン・チェースが仮想通貨のビットコイン(BTC)の先物取引の仲介を検討していることが分かりました。WALL STREET JOURNALによって伝えられています。

12月の2週目にはCMEグループによりビットコイン先物が扱われる予定ですが、これを顧客に提供できるように考えているとしています。

JPモルガンと言えば、CEOであるジェイミー・ダイモン氏がビットコインに懐疑的なことでも知られています。印象に深い発言では今年9月に「ビットコインは詐欺」と言っていましたが、その後「ビットコインについてはもう話さない」とし、その翌日には「ビットコインを買う人は馬鹿」と、またビットコインに対して意識するようになっていました。

この一連の発言を巡って、ビットコインは9月には4,000ドル(約45万円)を割り込みましたが、11月22日現在では8,170ドル(約92万円)と、当時の2倍以上まで高騰しています。(CoinMarketCapの統計より)

20日には一時調整局面もありましたが、22日現在は91万4,000円と堅調な相場動向をしています。先の下落の要因としてはTether(USDT)がハッキングされたことにより懸念が強まったためと見られています。

CEO自ら「詐欺」と言っていた商品を顧客に提供することになれば、皮肉ですが、ビットコインに対するダイモン氏の見方が変わったのかもしれません。

CMEでビットコイン先物が取引されれば、JPモルガン以外にも多くの銀行などが先物取引仲介の導入をすることも考えられます。また、先物ベースでのETF(上場投資信託)なども期待されており、懐疑的な意見の多い金融街での見方も変わってくると思われます。ビットコインの分裂問題など課題も多い中、今後の展開から目が離せません。

参考:WALL STREET JOURNAL