CFTC(米商品先物取引委員会)は1日、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)を運営するCMEグループと、CBOE(シカゴ・オプション取引所)を運営するCBOEグローバルマーケッツに対し仮想通貨のビットコイン先物の上場を承認、Cantor Exchangeにはビットコイン・バイナリオプションの承認をし、これを発表しました。

ビットコイン先物の上場を巡って、CME、CBOE両社とも先に計画が発表されていましたが、CFTCからの承認が通るかといったところが注目されていました。今回、ビットコイン先物の上場が認められたことにより、CMEは12月18日に上場することを明らかにしました。CBOEでは現在日程は明らかにはしていません。(12月10日からビットコイン先物取引開始の発表がありました。:12月5日追記)

また、CMEでビットコインの先物が上場されれば、JPモルガン・チェースでは顧客に向けて取引仲介を検討すると意向を示していましたが、以前、JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏はビットコインを批判するような発言を繰り返していたことから、手の平返しではないかとの声も散見されます。

また、CMEでのビットコイン先物上場があれば、マネックスグループでも取り扱いを予定していると発表しています。

来年には米株式市場のナスダックでのビットコイン先物の上場も検討されています。これにより多くの機関投資家が参入してくることも考えられています。

こういった流れから機関投資家による巨額な資金がビットコイン市場に流入してくることは明らかですが、一部ではこれを警戒する声も見られます。例えば、現在のビットコイン価格の高騰ぶりを見て大口の空売りが入れば一気に暴落するといった見解もあります。可能性のひとつとしては考えられます。

しかしながら、投資銀行など機関投資家は、基本として顧客の資金を預かる以上、投機的なハイリスク・ハイリターンよりもリスク回避に重点を置き、安定したリターンを望みます。また、取引仲介にしても顧客に向けて空売りを勧めるようなことも少ないので、上場したばかりでビットコイン先物の空売りが大量に発生するといったことは、あまり現実的ではないと思われます。

こういったことから、ビットコイン先物の取引が開始すれば、市場は活性化すると考えられます。また、ビットコイン先物で実績が付けば、その他の仮想通貨(アルトコイン)の上場も十分に考えられます。

先物が承認されたことで、SEC(米証券取引委員会)によるETF(上場投資信託)などの承認にも期待されています。こういった商品が増えてくれば、仮想通貨にとっては市場拡大に向けてプラスな材料ですが、一方、規制が強化されることも考えられています。

4日13時現在、ビットコイン(BTC)は11,586ドル(約130万円)、直近24時間の価格変動は約4%のプラスと、高値水準で推移しています。相場動向も気になるところですが、目先はCMEによるビットコイン先物の上場に期待が寄せられています。

参考:CFTC