以前、「ビットコインは詐欺だ」と発言していたJPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は考えを改め直す段階にあるかもしれません。
JPモルガンのアナリスト、Nikolaos Panigirtzoglou（ニコラオス・パニガーツォグロー）氏は、ビットコインに対し、以下のように見解を述べました。
「正式な金融市場に参入しようとする動きは、仮想通貨を新たな資産クラスに高める可能性を秘めています。」
「長期的な方法として価値を保存できる新しい金のようになる可能性もあります。」
正式な金融市場と言えば、ビットコイン先物が話題となっています。
CBOE（シカゴ・オプション取引所）を運営するCBOEグローバルマーケッツでは12月10日に、CME（シカゴ・マーカンタイル取引所）を運営するCMEグループでは12月18日に、2週立て続けにビットコイン先物の上場を控えています。
目先はこれの期待から、ビットコインの価格も高騰しています。7日、19時現在では1ビットコイン＝15,364ドル（約173万円）、直近24時間での価格変動は18.03％のプラスと高値続伸。ビットコイン以外の仮想通貨（アルトコイン）は全体的にマイナスとなっており、ビットコインのブルマーケットが続いています。（CoinMarketCapの統計より）
金融街ではバブルを懸念する声が多く聞かれますが、以前よりはいくらか減ったかもしれません。CFTC（米商品先物取引委員会）が承認したことも手伝っているでしょうか。
CMEでビットコイン先物が上場されれば、JPモルガンでも取引仲介を検討する方針ですので、今度は「詐欺商品を顧客に提供するのか？」といった声もあります。いずれにしろ先物が本格的に取引されるようになれば、今の相場よりボラティリティ（価格変動率）が安定してくると予測されますが、これからの購入は慎重になったほうがいいかもしれません。
機関投資家参入をウェルカムとする一方では、大口の空売りを懸念する見方もされています。もう下がるだろうと思えば上がるし、まだ上がるだろうと思えば下がることも多くあり、「もうはまだなり、まだはもうなり」とも言いますので、リスク回避のためには様子見が正解かと思われます。
JPモルガンのアナリスト、パニガーツォグロー氏が「（ビットコインは）新しい金（ゴールド）になる」といった発言は注目ですが、CEOとの大きな食い違いにどのような意図を持っているかも気になるところです。