中国の非営利仲裁団体「北京仲裁委員会(BAC)」のWang Jin氏は30日、ビットコインの法的性質から、ビットコイン紛争の仲裁について論じた。Wang氏は中国ユナイテッドネットワークコミュニケーションズ企業開発部/法務部に務める法学博士で、上級エコノミストでもある。
Wang氏によれば現在、ビットコイン紛争に関するさまざまな紛争解決機関の裁定には大きな違いがあり、これらは中国の規制システムの下でのビットコインの法的性質の理解に違いがあることが反映された結果だとしている。
ビットコインの法的性質について述べられており、ビットコインは本質的にデジタル通貨であり、理想的な法定通貨になることは難しいと分析されている。
また、ビットコインに関する規制は各国家によりまちまちであり、規制の厳しいロシアやボリビアでは使用を認められていないこと、ドイツでは法的地位が認められ、私有通貨のカテゴリーに属していることなどを引用し、現在の中国における規制政策をまとめた。中国では「ビットコインリスクの防止に関する通知」と「トークン発行金融リスクの防止に関する発表」によりビットコインは管理されており、ビットコインは「法定通貨ではなく」「仮想商品である」ことが示されている。これらの根拠から銀行や保険業などでの各種規制に繋がると述べた。
一方で、中国の現在の規制システムにおけるビットコインの法的性質に関して、「民法の一般原則の第127条に基づく仮想財産」とはみなされず、「財産法における『モノ』」とみなすこともできないため、明確に禁止されている活動を除き、ビットコインの活動を禁止していないと強調した。
ビットコインに関する紛争は様々なものがあり、その裁定の違いは1. ビットコインの法的属性に基づいて、国家によって禁止されているビットコイン取引の性質と種類を厳密に区別すること。2. 民事裁判と商業裁判と行政監督の関係を区別するよう注意を払うこと。3. 開発の観点からビットコイン紛争の解決を見ること。4. 無効な契約を慎重に使用すること。上記4点に基づき、慎重な裁定を行われるよう提案した。
参考:北京仲裁委員会