仮想通貨時価総額2位のイーサリアム(ETH)だが、そのプラットフォームにさまざまな企業が活用を見出している。
主にその特性であるスマートコントラクトが使用されており、このところでは世界的保険大手AXAが航空便遅延保険「fizzy」をリリースするなどが話題となった。その他にもKDDI、NTTデータなども実証実験を行っている。
さて、このイーサリアムだが、先日からお伝えしているとおり、現在のホームステッドのバージョンから3段階目となるメトロポリスへの移行のためビザンチウムというシステムのテスト期間に入っている。
テストネットはRopstenというテスト用のブロックチェーンが用意されており、これの上で動作確認などが行われている。ところが、この大事な期間中にテスト用のチェーン攻撃されたという。よく攻撃されるイーサリアムだが、テスト中に攻撃というのは妙な話だ。
というのもメインのチェーンではなく、あくまでテスト用なのでハッキングや攻撃をしたところで、攻撃者にとって何もメリットはない。よほど暇なのか、それとも嫌がらせだろうか。また、テスト用ブロックチェーンにはマイナーがほとんどいないため、攻撃もごく簡単に行えるという。
イーサリアムの開発者のひとり、Casey Detrio氏は、今回の攻撃者に関してCoinDeskのインタビューに対しこう語った。
「これは単なる気晴らしと迷惑行為です。」
迷惑行為をすることで気晴らしになるのかは疑問符が付くが、攻撃者自身の技術力を試したいとの見方もできる。メインのブロックチェーンに攻撃しては大勢のイーサリアムユーザーに迷惑が及ぶため、テストネットを狙ったのか、もしくは競合がビザンチウムのテストを長引かせて、メトロポリスのハードフォークを延期させようとしたのかもしれない。
あくまで憶測に過ぎないので、言及は控えたいが、このような迷惑行為は絶対にしないでいただきたい。幸い、メトロポリスのハードフォークには影響がなく、予定通り10月17日に行われるという。
イーサリアム(ETH)は4日現在、3万3,000円ほどを推移しており、ここのところ軟調相場が続いている。このところは先に韓国や中国での規制の関係もあって価格を下げていた。罫線では現在も高値水準だが、メトロポリスはかなりの好材料なので、織り込み済みとは言えバージョンアップされたらもう少し相場が上向くかもしれない。市場参加者らからは今後の相場動向が注目されている。
参考:CoinDesk