フランス大手保険会社のAXA(アクサ)がイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンを活用した新しい保険「fizzy」をリリースした。
fizzyは航空便遅延保険で、搭乗予定の飛行機が2時間以上遅延した場合に負担を被った顧客へ支払いが行われるというもの。
従来の航空便遅延保険との違いはやはり、イーサリアムを利用しているということだろう。イーサリアムのブロックチェーンではスマートコントラクトが実行できる。
ブロックチェーン上に保険の契約情報を記録し改ざん防止、さらに2時間以上の飛行機の遅延が確認された場合に、対象となる顧客に自動的に支払いが行われるようなシステムになっている。クレームなど問い合わせをしなくても支払われるため、顧客側のストレスなど負担も減り安心してサービスを利用できる。
現在はパリ=シャルル・ド・ゴール空港と米国間の直行便で利用でき、今後は国際的に拡大していくとしている。また、旅行代理店や航空会社、空港と共同して顧客満足度の向上を図っていくという。
AXAは各国で生命保険や損害保険、資産運用などの金融サービス業を展開している。設立は1816年フランス。ユーロネクスト上場企業。2006年には、クレディ・スイス傘下の保険会社Winterthur Groupを買収、2012年には、HSBCの子会社を買収して香港・シンガポールにも進出している。日本国内では1994年にアクサ生命保険株式会社として設立された。顧客数は約8,000万人、運用資産総額は約1兆3,150億ユーロ(約172兆円)。
このような大手企業が積極的に、仮想通貨の根幹であるブロックチェーン技術を利用していくのは、仮想通貨の技術発展にも繋がると考えられる。
ブロックチェーンというと、仮想通貨への投資などが思い浮かぶが、スマートコントラクトなど技術面でも活用されているということも知っておきたい。今後のAXAのサービスや事業展開にも注目していきたい。
参考:AXA