仮想通貨に対する法整備が各国で急がれている。その中でもICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)投資に対して懸念する当局も多く、投資家に向けて積極的に呼びかける動きが目立ってきた。
13日、DFSA(ドバイ金融サービス機構)はICOがハイリスクな投資であり、詐欺や不正行為が横行していると注意喚起をした。DFSAでは現在ICOは規制の対象外としているため、警告までに踏みとどまっているが今後の法的な扱いに関しては触れていない。
中国では先日ICOを禁止、仮想通貨取引所も閉鎖する可能性があるとしたニュースがあったが、今回のDFSAの対応はそういった扱いとは異なり、米SECやシンガポールMAS、カナダCSAと同様の姿勢と伺える。
ICOトークンを有価証券と見なすこともしていないので、おそらく闇雲にICOは危険だということではなく、ICOを実施する企業やそれに出資する投資家の機会も尊重した上での注意喚起とも考えられる。
日本国内では改正資金決済法により、仮想通貨に関しての規制や法的枠組みが進められているが、ICOに関して明確な条件や定義を設けていないのが現状。名前だけの会社やプロジェクトがトークンの販売を行う可能性もあるため、ろくに調べないで参加するのはリスクが高い。
これはどの国でも共通することであり、規制のされていない海外諸国ではギャンブル感覚でトークンを購入する方も少なくない。ダメ元で出資をするなど、果たしてそれが健全な投資かというと疑問符が付く。今後、投資家保護と企業の資金調達の場を両立させた法整備が求められている。
参考:DFSA