米証券取引委員会(SEC)は、8月28日、ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)でのトークンの販売に関する詐欺的なスキームがあることについて、投資家への注意喚起をした。
今回の喚起では、資金調達のためにあたかもトークンの価値が高くなるかのように、説得するなど所謂、Pump and dump(風説の流布)による市場操作に対して危険性があることを示した。
ICOは企業にとっては、資金調達の手段として画期的で合法的かつ公平な機会を提供することも多いが、関係する企業の株式の価格を操縦するために、ICOを行う可能性もあるとし懸念している。投資家保護の観点から公平性がないと認められる場合には、対象となる企業の株式の取引停止をする可能性もあると警告をしている。
SECが詐欺的な風説の流布の方法として主に掲げているのは、会社のWebサイトや、プレスリリース、Eメール、ブログやSNS、チャットなどで、投資家の誤解を招くような情報を発信することとし、肯定・否定的な内容問わず注意をする必要があるとしている。また、今後の見通しや会社の財務や組織など、その企業についても調べるように促している。
米国では規制や注意喚起が進んでいるが、日本国内においても同等のことが考えられる。ICOについて一般的にはまだ認知が浅いが、国内でもこれから多くの企業がICOを行っていく可能性もある。
インターネット上では多くの情報が出回っており、魅力的なものに見せかけたり、必ず儲かるかのような触れ合いのものもしばしば見られる。しかし、それが詐欺的なものである可能性もあるので、ICOに投資する際はその会社が自己資金を投資するに値するものなのか、自ら情報を集めて真贋見極めていくこと、また常にリスクがあるということを理解しておきたい。
参考:SEC.gov