国際的に仮想通貨への法整備が急がれている。国によって規制の内容が異なってはいるが、例えば米国ではSEC(米証券取引委員会)はICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)に対し規制を強めるとともに投資家への注意喚起をしたり、シンガポールではMAS(シンガポール金融管理局)が、カナダではCSA(カナダ証券管理局)がICOに対して同様の姿勢を示している。

中国も例外なくICOや仮想通貨を対象とした規制に取り組んでいるが、ここにきて異例な動きが見られた。サンフランシスコを拠点とするRipple(リップル)社に、中国人民銀行(中国の中央銀行)など中国金融界の関係者が訪ねて議論したとのこと。

今回、中国当局のチームが集まったのは、米国との間で金融技術を促進する外交交流の一部であったとし、グローバル・ペイメント・エコシステム(国際送金の連携)と、送金速度やコストに関するリップル社の見解についてのプレゼンテーションを受けたという。

リップルの送金ネットワークは、すでに多くの銀行で送金に利用されており、SBIレミットが、SBI Ripple Asiaと連携し、SCB(サイアム商業銀行)との間で日本・タイ国間での送金サービスを提供している。また、NBAD(ナショナル・バンク・オブ・アブダビ)も国際間での送金にリップルのネットワークを利用しており、このようなことから中国もリップルの技術に関心を示していると考えられる。

しかしながら、XRPを使った送金かは不透明であるのが現状だ。以前、人民元をトークン化する可能性などのルーマーがあったが、エストニア政府によるICO検討と同様に、中国独自の仮想通貨などを発行することがあれば、技術面だけを利用したいとの見解もされる。

過度の期待は禁物だが、仮に中国がリップルのネットワークを使い、XRPが利用されることがあれば、XRPの流動性が高まることは想像に難くない。以前、リップル社のエミ・ヨシカワ氏が米CoinDeskの取材に対し、中国は国際送金の市場として重要であるとし進出を考えていると語ったことからも、リップル側は中国に向けてシェア拡大を図っているとの見方ができる。

このところ、XRPの価格も底を固めつつあり31日現在、1XRP/25円ほどで推移している。リップル社のツイートに価格が反応しやすいと見られるXRP。これにはマーケティングの手法としては賛否両論あるが、いずれもシェア拡大に向けて前進していることには違いないだろう。市場からはリップル社とXRPの価格と双方の動向が注目されている。

参考:weixin