29日、FSC(韓国金融委員会)はICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)と仮想通貨の信用取引を禁止する方針を明らかにした。News1により伝えられている。

今回のICO禁止の措置は投資家保護の観点からとのこと。ICOはスタートアップなどがプロジェクトの開発費などを調達できるシステムだが、中には資金を集めてその後にプロジェクトを進めなかったり、場合によってはプロジェクト自体計画がない詐欺的なものも見られる。出資したはいいが、それっきりで泣き寝入りするケースも少なくない。

こういった点から韓国の金融当局は懸念をし、規制の枠組みづくりをしていくことを検討していた。

SEC(米証券取引委員会)などもICOについて注意喚起を呼びかけたり、内容によっては一部規制対象としており、シンガポールでもMAS(シンガポール金融管理局)がSECと同様にICOに対して警戒の姿勢を示している。

中国では今月4日に一切のICOを禁止するなど、強制的な措置を取り、続けて仮想通貨の取引自体も規制していくことで市場では混乱を招いた。

韓国では仮想通貨の取引が盛んなことから、今後、ICO以外にも取引に規制が入れば市場への影響はかなり大きくなるだろう。

おそらく金融当局監視のもとで仮想通貨の取引が行われることになると考えられるが、FSCの副会長、キム・ヨンボム氏は以前に「仮想通貨は金融商品とも通貨とも評価しない」と発言していたことも考慮すれば、中国と同じような道筋を辿る可能性はゼロではない。

ここ最近、韓国では仮想通貨に前向きなニュースが多く、例えばカカオトークに関連する会社が10月にUPbitという仮想通貨取引所の開設発表や、大手ゲーム企業のネクソン関連ではNXCが大手仮想通貨取引所のKorbitの株式を65%取得、M&Aを締結するなどがあった。

29日現在、仮想通貨全体的に相場を下げており、韓国でICOに関する規制の方針が明らかになったことが影響したとの見方がされる。こういった時に便乗して意図的にフェイクニュースを吹聴する人もいるので、そのような情報に流されて混乱しないようにご注意いただきたい。市場では各国の規制方針含め、今後の相場動向が注目されている。

参考:News1