仮想通貨市場で時価総額2位のイーサリアム(ETH)だが、当初の予定よりもメトロポリスのハードフォークが遅れる可能性があることが分かった。

先日、順当に進めばメトロポリスへのアップデートは10月9日ころには期待できるとお伝えしたが、1週間以上延期され10月17日前後になるという。

イーサリアムは4段階に分かれて開発されており、今は2段階目のHomestead(ホームステッド)のバージョン。3段階目となるメトロポリスはByzantium(ビザンチウム)とConstantinople(コンスタンティノープル)という2回のテストが行われるが、Byzantiumのテスト自体には問題がないという。

イーサリアムのコア開発チームによると、イーサリアム創設者のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏が保守的にハードフォークを行うべきだと勧告したとし、とくに緊急事態で行っているわけではないとブテリン氏は語ったという。

また、アップデート後も異なったチェーンでも、マイナー(採掘者)が煩わしくなく対応できるようにすることも考えているとしている。

不具合など障害や、理由なく延期となると懸念しそうだが、障害などの異常で遅れているのではなく、より安全性を確保した上での延期ということであれば、むしろ今回の判断はいい方向で好材料とも考えられる。

開発者のひとり、Hudson Jameson(ハドソン・ジェームソン)氏によると、テスト期間内に何か問題が起こらない限りは、今度こそはハードフォークの日付は最終的なものになるとしている。

Ropstenテストネット上でのByzantiumのテストは、すでに開始されており 、すべてが予定どおりに実行されているという。ブロックチェーンもハードフォーク後に続くプライベートトランザクションの確認が出来ているという。

今回のメトロポリスのアップデートは以前から長く期待されていたので、来月17日に正式に実行されれば、織り込み済みと考えてもかなりの好材料。

25日現在、イーサリアムの価格は3万2,000円前後を推移しているが、今回のアップデート含めて材料豊富なため、年内にかけてさらに上昇していくとの予測もある。市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。