SBIホールディングスとSBI Ripple Asiaは13日、両社が事務局を務める内外為替一元化コンソーシアムにおいて、参加金融機関と韓国の金融機関との間でDLT(分散型台帳技術)を使用した国際送金の実証実験を開始することを発表しました。

まずは、12月15日(金)から第一弾として、韓国の大手金融機関のウリィ銀行、新韓銀行の2行と、内外為替一元化コンソーシアムに参加する金融機関の内、三井住友銀行や、りそな銀行など37行が実験を行い、日韓双方で保有する台帳が送金時にリアルタイムに更新されることを確認するとのことです。韓国側ではSBI Ripple Asiaと9月に提携を発表したDAYLI Intelligence(デイリーインテリジェンス)社が2行をまとめます。

使用するのはRipple(リップル)社のソリューションを活用した「RCクラウド」。これを使用することで、リアルタイムかつ低コストな送金が実現されます。SBIでは今回使用する「RCクラウド」の2018年商用利用を見据えた強化版「RCクラウド2.0」の構築が完了したことを先日発表したばかりです。今回の日韓間での送金実験は12月15日から1月31日までの約1ヶ月半の期間を予定しています。

また、日経新聞によると、最終的にはリップル社のデジタルアセット(仮想通貨)であるXRPの活用もしたいとのことです。日本円と韓国ウォンを一度XRPに変換してから送金することで、送金コストが従来の60%削減できる試算をしています。XRPが送金に実用されることで、XRPの流動性がさらに高まることも期待されています。

また、この発表後にXRPの価格が急騰、13日午前には一時0.44ドル(約50円)ほどまで高値を付けました。14時現在では少し落ち着きましたが、0.37ドル(約42円)、直近24時間の価格変動率は43%のプラスで堅調に推移しています。(CoinMarketCapの統計より)

XRPは往って来いの相場が続いており、しばらく横ばいでしたが、今回の上昇では利確による売り抜け後の調整が比較的影響していないことから、底が固い相場だと考えられます。リップル社によるエスクローアカウントでの管理、ロックアップが完了されたことも好材料になっているでしょうか。

SBIでは来年に、実験ではなく商用利用を見据えており、また、SBIバーチャル・カレンシーズでは仮想通貨の取引専用サイト「VCTRADE」のオープンに向けて準備をしています。SBIの仮想通貨に対する取り組みに期待の声が高まっています。

参考:SBIホールディングス , 日経新聞