このところ急激に価格を上げ続けており、過熱を危ぶむ声も散見される仮想通貨のビットコイン(BTC)。12日現在では約55万円と高値を付けており、9月15日には34万円ほどだったのに対し、一月も経ずに20万円以上(約61%)も高騰している。(CoinMarketCapの統計より)

この価格変動の背景には中国での仮想通貨取引の禁止や、JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン氏の「ビットコインは詐欺」発言など、大手金融機関のトップなど、多くの著名人がビットコインに対して懐疑的な意見をしたことでも相場に影響があったと考えられている。

9月中ころまでは、一時市場に混乱を招いたが、今日まで急速に回復に向かっている。今回の相場上昇の勢いはとくに激しいので、調整的な動きがあるかもしれない。

米ニューヨーク州に拠点を置く、大手投資会社Fortress Investment Group(フォートレス・インベストメント・グループ)の元ヘッジファンドマネージャーのマイケル・ノヴォグラッツ氏はビットコインやその根幹技術であるブロックチェーン技術にも投資をしており、ビットコインの価格はこれから6ヶ月から10ヶ月にかけて1万ドル(約112万円)以上になると予測している。

100万円以上とは強気にも捉えられるが、このところの上昇を考えれば、まんざらあり得ない話でもない。ちなみに、ノヴォグラッツ氏は過去にForbesによる長者番付「The World's Billionaires」にランクインしている“ビリオネア”としての顔もある。

ビットコイン支持派の意見ではアンチウィルス企業McAfee創設者のジョン・マカフィ氏の発言が有名だろうか。マカフィ氏の見解では3年以内に50万ドル(約5,600万円)まで上がると楽観的な予測をしている。

また、元JPモルガンのストラテジストのトーマス・J・リー氏は、2018年の半ばまでには6,000ドル(約67万2,000円)まで上がるとの予測もしており、時期的に見ればノヴォグラッツ氏と同じころの予測となる。さらにStandpointResearchのロニー・モアス氏は2018年に5,000ドル(約56万円)になるとしていたが、今年8月に7,500ドル(約84万円)まで上がると予測を上方修正した。

このあたりの予測を全く鵜呑みにするのは賢明とは言えないが、ひとつの指標として参考にはなる。ビットコインに投資するのであれば、できるだけ多くの情報を収集し整理、ご自身で慎重な判断の上で購入することをお忘れずに頂きたい。

また、今月25日以降にはビットコイン(BTC)がビットコインゴールド(BTG)に分岐するとの話もあり、さらに来月にはSegWit2Xのビットコイン2X(B2X)の分岐も懸念されている。これの影響も考えられるため、今月末から来月にかけてはとくにリスクが高いということを念頭におきたい。分岐後に購入しても十分遅くないだろう。いずれにしろ長期的に見れば今後も価格は上昇していくとの予測が強い。市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。