連日値を下げていた仮想通貨「イーサリアム(ETH)」。ICOに備えての買いが集中し、高騰したため先の調整との見方もされています。しかし、今回の暴落はしばらく続き27日には一時、仮想通貨市場の時価総額が10兆円を下回り、一部ではパニック売りも見られました。

市場全体にまで波及した今回の相場暴落の要因は、他にもあったようです。イーサリアムの開発者、Vitalik Buterin氏が自動車事故で死亡したという誤報です。

このニュースが、6月25日16時30分頃(米現地時間)、4chan/biz/threadに掲載され、市場で混乱を招いていたとのことです。さらにWikipediaのページも編集され、これを真に受ける方も多かったようです。

その後、Buterin氏自身がTwitterを更新し、生存が確認され、Wikipediaも元通りに戻りました。現在Wikipediaではこのことについてウソのニュースがあったということも記載されています。

しかし、開発者が死亡したという間違った情報で相場を暴落させたとすれば、市場がまだ小さいとはいえ、その影響力はかなり大きいですね。

現在仮想通貨のトレードを行っている方や今後、仮想通貨への投資をお考えの方は、ニュースなどメディアの情報収集も、ご自身で真贋見極めて判断していく必要がありますので、間違った情報を鵜呑みにし、慌てないようにお気をつけください。

イーサリアム(ETH)は27日、1ETH/2万6,000円台まで相場を下げましたが、28日現在は1ETH/3万円前後でもみ合っています。このまま相場を上げていくのか、もう少し下げるのか予測は困難ですが、今後も市場の動向を追って見ていきたいところです。

Vitalik Buterin氏は1994年、ロシアのモスクワ州生まれで、6歳のときにカナダに移住。この頃から数学やプログラミング、経済学を学び、17歳のときビットコインを知り、2012年には国際情報オリンピックで銅メダルを受賞、その他にも栄誉ある賞を数々受賞しています。2013年にイーサリアムを提案しました。また、BitcoinMagazineの共同設立者としての顔もあります。現在はシンガポールに在住しています。

参考:Bitsonline