ここのところの仮想通貨市場だが、全体的に下落をしており、本日27日も時価総額10位以内の銘柄はすべて前日比を赤く染めている。仮想通貨投資家にとってはこのあたりが分岐点になるのではないだろうか。
イーサリアムに先導されるように見えた昨日に続き相場を下げる市場に対し、方方では「地獄の始まり」「月曜日の大虐殺」などネガティブな声も散見される。国内大手取引所のチャットでは「下がった上がった言うのが楽しい」といった楽観的な声も見られるが、それも投資の楽しみ方のひとつなのかもしれない。
仮想通貨バブルの崩壊は近い?
ビットコイン(BTC)は24日に1BTC/30万円台を下回り、これを皮切りに相場を下げ続け、27日には27万円台半ばを推移している。これに関して高値掴みしてしまった方は持ちこたえる体力があれば、損切りよりも回復を待つべきかもしれない。しかし、8月の分裂問題がどう転がるか、明確にされていないのが現状なので、この付近では慎重な選択が求められる。
イーサリアム(ETH)は21日の1ETH/4万円台を最後に低迷、27日には一時2万6,000円台まで割り込んだが、現在2万8,000円台前半でもみ合っているが、もう少し下げてくると市場では予測される。少しずつ押し目買いしてもアリだが、目先は様子見が正解といったところだろうか。
先の高騰はICOが続いたことでイーサリアムへの買いが集中し、相場が押し上げられていたと見られるが、一時のICOの過熱ぶりからすれば今後ICOが行われても、同じ要因でイーサリアムが相場を上げるとは考えづらい。とくに魅力的で有用なトークンが発行されるとなるとこの限りではないが、このまま下げて行くとなると仮想通貨の未来は明るいものではない。
時価総額10兆円を下回る、まだ底は深い?
27日には一時的に市場の時価総額を約880億ドルまで下げた。(coincapの統計より)単純計算で日本円にして約9兆8,500億円(1USD/112JPYで換算)となるが、今月頭に「仮想通貨10兆円突破!」「1,000億ドルへ!」などとつい数週間前はお祭り騒ぎをしていたが、その時価総額を戻してきている訳だ。今回の相場は投機筋からドルの買いが強まっているため、為替相場に流れたとの見方もされている。円建てが多いようだが、仮想通貨からの買いも多少はあるだろう。
ちなみに5月頭には仮想通貨の時価総額が5兆円を突破したことでも大きく話題になったが、仮想通貨市場全体で見ても、この数ヶ月で過剰に膨張していた今回の相場が、一時的に下がっているとの見方をすれば、以前の相場に戻るだけだ。しかしながら、ジャンピングキャッチしてしまった方にとっては厳しい相場には間違いないだろう。今回ババを引いた方も少なくないようだ。
国内で普及すれば、まだこれからの市場
相場を下げているからと言って、悲観視ばかりしても回復はしない。損切りするならさっさと売ってしまえばいいし、先を見ればまだ市場が成長していくことは間違いないだろう。
と、いうのもこの先、SBIグループやMUFGなど国内大手が仮想通貨市場へと参入してくるので、長期で見れば仮想通貨への投資はこれからもっと増えていくとの見方がある。つまりその分資金の流入も増え、市場も活性化していくと予測されるからだ。
また、直近では国内大手の仮想通貨取引所『Coincheck』では、今月26日から「Litecoin」「Zcash」「Monero」「DASH」の送金・受け取りが可能になり、Coincheckで取り扱っているコインすべてが入出金可能になったということも、国内での仮想通貨の流通・市場の活性化を加速させるだろう。
市場自体まだ未成熟な仮想通貨。時価総額が、9兆円台まで割り込んだのは先行き不安でもあるが、長期的な目線ではまだバブル崩壊というのは早いだろう。乱高下をしながら相場を下げている今こそが稼ぎ時であって、このチャンスを逃すまいと、眉間にシワを寄せてチャートにかじり付いているトレーダーも少なくないだろう。
今後もしばらくは下げていくのか、それとも雨後の筍の如く急騰を演じるのか、市場での予測は困難を極めている中、今後の相場動向を慎重に見ていきたい。