本日6月26日、時価総額上位のアルトコイン(オルトコイン)が軒並み下落している。取引所や国内、海外による誤差も多少あるが、上位100銘柄中で前日比でプラスとなっているのはわずかに、8銘柄のみと悽惨な状況だ。(CryptoCurrency Market Capitalizationsの統計より)

国内大手仮想通貨取引所のチャットでは、絶望的な声も目立ち、某ネット掲示板でも悲観視する声が散見される。ネット上だけでなく、リアルでも仮想通貨投資家の間では、今日の相場については後ろ向きな意見が多い。

いずれも話題の中心となっているのは「イーサリアム(ETH)」だ。ここ1、2ヶ月ほどのイーサリアムの相場の勢いはすごかった。多少下げてきても当然の流れなのだが、上下するたびに歓喜と悲鳴と入れ代わり立ち代わり忙しい市場だ。

そこまでイーサリアムが人気の理由として、ビットコイン(BTC)にないブロックチェーンのネットワークにあるだろう。これはスマートコントラクトというもので、簡単に説明させていただくと、ビットコインが取引の履歴を記録していくネットワークに対して、イーサリアムはさらに契約内容なども記録することができ、俗に「仮想通貨2.0」や「ビットコイン2.0」などとも呼ばれる。

これに加えてイーサリアムベースでのICO(イニシャル・コイン・オファリング)が続いたことも大きな要因だろう。新規のトークンなどのICOに参加するためにはイーサリアムが必要なので、当然イーサリアムを買うことになる。その結果、イーサリアムの相場が高騰していたのだが、ここにきて落ち着いてきたとの見方も強い。

さて、そんなイーサリアムだが、26日は一時期2万円台まで割り込もうかという線まで来ていたが、このあたりで持ちこたえ、1ETH/3万円台前半を推移している。それでも2ヶ月前と比較して300%以上なのだから、もう少し下げてくれてもいいかもしれない。

対するビットコインの相場はというとやはり下落。とはいうものの前日比3%ほどで1BTC/28万円台半ばで推移しているので、さほど気にするような変動でもないだろう。仮想通貨はどのコインも、とにかくボラティリティ(価格変動率)が高く、1日、2日と、ちょっと目を離した隙に10%、20%の上下をしていることなんてざらにある。なかにはそれ以上に価格が推移することも珍しくなく、それが逆に魅力的で短期間に大きく稼げる市場だということを証明していると言っても過言ではないだろう。

今月の仮想通貨の動きとしては、イーサリアムが先導していたという見方もある。12日に1ETH/4万3,000円ほどの高値をつけてからというもの、急落。26日まで上下しながら値を下げてきている。この動きは他の多くのアルトコインでも見られ、イーサリアムが高値をつけた12日以降に高値をつけたコインが多い。また、チャートではその後の下落もイーサリアムの後を追うような形で下落をしているコインが目立つ。これはイーサリアムの下落が波及したものだろうか。

ビットコインに続く時価総額2位で、尚且つ8月のビットコイン分裂問題の一時避難先と言われることも多いイーサリアムだが、市場全体に与える影響力も強いようだ。今少し様子見か、買い時はこの1週間あたりか難しいところだが、市場ではイーサリアムのみならず、仮想通貨全体の相場動向が注目されている。