自動車業界に2つの大きな流れが出てきている。1つは自動運転技術だ。しかしながら完全な自動運転は現時点で実現されておらずドライバーの運転をアシストするレベルに留まっている。

こういった中、ボルボが新しいコンセプトカーとして360cを発表し、“走る寝室”として市場関係者に大きなインパクトを残したことは記憶に新しい。自動運転が実際に近づいてきていることを改めて確認できる形となった。

そしてもう1つの流れとしてブロックチェーン技術を活用したスマートカーだが、ブロックチェーン技術には改ざんできないメリットがあるため安心した運転環境を提供することができる。

コンピューターに例えて言えば、自動運転はパソコンやサーバなどのハードウェアの部分で今後利用しようとするユーザーが車を選び取ることができ、ブロックチェーンはソフトウェアの部分、つまりどんなソフトが入っていて、どのような処理を行っていくかと言う見方をするとわかりやすいだろう。

また、ポルシェはブロックチェーンだけに限らず、人工知能(AI)、や仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった最先端テクノロジーに大規模な投資を行ってきており、高級スマートカーとして環境整備に力を入れてきている。

ポルシェは単独でブロックチェーン技術を開発することをせず、ポルシェ・イノベーションコンテストにて優勝したベルリンのスタートアップ企業であるXAIN(ゼイン)と今年2月に提携し、ブロックチェーンを直接車両に実装するテストを行い成功させている。

リモートによるブロックチェーン技術を用いた鍵の開閉の際には従来よりも約6倍早い1.6秒で完了することも成功していることから、盗難によるセキュリティ強化をする面でも大きな効果を与えていくことだろう。

また、メルセデス・ベンツフォードといった業界大手もこぞってブロックチェーンの可能性を見出しており開発を進めている。

近年ブロックチェーン技術やAIの分野に対し研究開発が加速している自動車業界。今後、私たちが知っている車が大きなイメージ転換をしていくことになるだろう。