中国の4大商業銀行の1つである、中国工商銀行(ICBC)が、ブロックチェーン技術開発を進める方針と、中国のBiaNewsが1日に報じた。

中国工商銀行は世界最大の銀行の一つで、現在5,000社以上の企業と5億3,000万人の顧客を抱えており、2017年には情報銀行の構築とフィンテック領域の迅速な導入に注力すると表明もしている。今年7月にはブロックチェーン技術に関する特許を公開しており、大きく話題になった。

中国工商銀行の易会満会長は、ブロックチェーン以外にもクラウドコンピューティングやビックデータ、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)分野にもフォーカスするとして積極的な導入へと考えている。

BiaNewsによれば、中国工商銀行はスマートバンキングのユースケースの構築に取り組んでいるとし、金融エコシステムにおけるサービス向上と、第三者と共有する金融データの安全性確保に役立てる狙いとしている。

中国は昨年9月以来、仮想通貨に対する規制を強化しており、その一方では様々な業界でブロックチェーン技術導入を推進している。

仮想通貨の不安定なレート、国民が過剰な投資に進むことを規制し、現存のシステム向上に対してはオープンな環境を広げようと既存の環境向上を進めている。

中国銀行は8月、金融サービスの中国銀聯と業務提携を結び、ブロックチェーンを活用した決済システムを共同開発すると発表している。

さらに保険業界において中国人民保険がVeChainと提携し、保険業界にブロックチェーンを導入するとして、金融業界だけに限らず保険業界にも革命をもたらしている。

中国でのブロックチェーンの積極的な採用については知財関連のメディアがまとめたデータにおいても、ブロックチェーン関連特許では中国のアリババが申請数でトップとなったこともあり、米IBMと特許件数で競争をしている現状もある。

日本においては三菱UFJ銀行がMUFGコインの発行やブロックチェーン採用を目指し、実証実験を積み重ねており、今後、店舗にわざわざ向かわずに、スマホやパソコン上であらゆる手続きが可能になって来ることも考えられる。

あらゆるところでブロックチェーンによるコスト削減、セキュリティ向上は私たちの生活において時間のロス削減にも結び付くとして期待されている。

参考:BiaNews