中国の大手保険会社である中国人民保険(PICC)が、ブロックチェーンプラットフォームのVeChainと提携した。今後、保険事業にブロックチェーン技術を活用すると1日にプレスリリースで発表された。

中国の大手保険会社がブロックチェーン技術を使うことで、今後他国の保険会社も採用に前向きに捉え、無駄なコストの削減に取り掛かることも考えられる。

今回、PICCはVeChainのほか、リスクマネジメント企業のDNV GLと提携し、ブロックチェーンの活用で事業のコスト削減や効率化につなげるとしている。

また詐欺防止や顧客の本人確認であるKYC(顧客確認)の改善や、クレーム対応の向上も目的としている。

PICCは発表の中で、ブロックチェーン技術が保険業界にデジタルへの転換をもたらし、即時補償のような新しいサービスを生み、より収益性の高いビジネスモデルへ提供するという。

保険においては人為的なコスト以外にもシステムにも多額のコストがかさんでいる現状があるために保険会社として収益性をさらに改善する以外にも、保険契約者に対してサービス提供額がさらに向上する事も考えられ、日本の保険会社にも期待したい一面と見れる。

今回のVeChainとDNV GLのそれぞれの役目としては、VeChainのプラットフォームがPICCのデータ管理やより効果的なデータ処理をサポートし、DNV GLは、保険システムのデータ完全性の第三者機関として保証するとしている。

PICC以外にも現在、世界中の保険会社がブロックチェーン技術の採用を始めており、今年8月には米国保険サービス協会(AAIS)は、保険会社や規制当局などが統計データを管理するためのブロックチェーンプラットフォームを導入している。

さらに4月には世界的な保険ブローカーであるリスクマネジメント企業であるマーシュが、保険証明書においてブロックチェーン・ソリューションを導入すると発表している。

複雑な保険証明のプロセスの中、ブロックチェーンで透明性が高いものとして業界の効率化にもつなげる狙いもしており、ブロックチェーンはさらにあらゆる業界において重要な役目を果たしていくと期待される。

参考:Business Insider