仮想通貨の王様とも言われるビットコイン(BTC)。その人気はとどまることを知らず、今年の初頭には10万円ほどでしたが10月20日現在では価格は約64万円、時価総額にして10兆円の市場にも拡大しています。ビットコインを巡ってはこれを過熱やバブルだとする声や、そもそも「ビットコインは詐欺だ」という声まで出ていました。影響力のある発言で、中国当局による規制のタイミングも重なったことから、一時的な下落はありましたが、その後何もなかったかのように今も高騰を続けています。

Bitcoin Charts  2017/1/1 - 2017/10/20 (CoinMarketCapより)

ビットコインの価格は5年で2万5,000ドルに?

今回、ウォールストリート(米ニューヨークの金融街)で見解を示したのがFundstrat Global Advisor(ファンドストラット)の共同設立者のTom Lee氏です。BUSINESS INSIDERによると、リー氏は2018年半ばまでに少なくとも6,000ドル(約68万円)になると言い、5年間で2万5,000ドル(約280万円)になることを信じています。

リー氏の話では、将来の価値創造はデジタルの世界にあると考えています。そして、将来のすべての素晴らしいビジネスはデジタル化されるとし、このコンセプトではビットコインがデジタル化されたゴールド(金)であり、例えば現在の金の時価総額が9兆ドル(約1,020兆円)の市場で、これの5%だけでも占めることができれば少なくても2万5,000ドルの価値があると示しました。

また、金ドル本位制だった過去何年もの間、金の価格は動かなかったのに、金の取引が自由に行えるようになった途端、ビットコインのようなボラティリティ(価格変動率)だったことも見解の一つとしています。

ビットコインは新しいゴールドではない!

一方、ウォールストリートの名門、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の見解では、ビットコインは新しいゴールドではないとしています。

貴金属は歴史的な事故はなく、既知の要素の内で最も長期的に価値が保管できるものだとしたうえで、ゴールドはお金としての重要な側面ではビットコインを勝っているとつけ加えました。

また、ビットコインは分岐問題も懸念材料として悩まされることがありますが、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークの時はあれほど騒がれたのに、今では仮想通貨全体の時価総額4位、人気の通貨でもあり毎日活発に取引が行われています。

他にもアナリストたちは、仮想通貨を保管するウォレットはハッキングによる脆弱性もあり、多くの仮想通貨は規制による大きなリスクを抱えていると言います。ビットコインや仮想通貨全体的にもこういったリスクは決して無視はできません。

新しい仮想通貨の誕生など懸念も

今月25日にもビットコインの分岐が考えられていて、新しくビットコインゴールド(BTG)が生まれようとしています。ちなみに国内取引所では大手の「Coincheck」と「bitbank.cc」では問題がなければ付与の予定もあるとしていますが、「Zaif」では顧客保護の観点から取り扱う予定はないとしています。

このあたりは、各仮想通貨取引所の見解によるものですので、一概にどういった対応が正解とは言えませんが、貰えるのであれば貰いたいですよね。

また、来月19日の前後では今のビットコインのブロックサイズを2倍に引き上げるために2Xというハードフォークが行われます。これによってさらにビットコイン2X(B2X)という仮想通貨が新しく誕生します。このようなことから基軸通貨であるビットコインがこういった作りであることに懸念する声があるのは事実でもあります。

参考:BUSINESS INSIDER , CNBC