アルゼンチン最大規模の先物取引所であるROFEX(ロサリオ先物取引所)で、ビットコイン先物の上場に向けて準備をしていることが明らかになりました。詳細については、2017年内に公表される予定です。

ビットコイン先物と言えば、先日計画の発表があったとおり、世界最大の先物取引市場である、CMEグループが先に上場準備を進めています。これの影響でビットコインは高騰、過去最高値を更新しました。

市場心理として、米国で先物として受け入れられれば、仮想通貨以外の投資家も取り込めるといった考えや、先物ベースでのETF(上場投資信託)など、金融商品としての幅が広がることも期待できることから一気に買いが集中したとの見方が強くされています。また、実現されれば個人だけでなく、機関投資家の巨額な資金が市場に入ってくることも期待できます。

アルゼンチンは経済状況が非常に悪く、ハイパーインフレ(急激な物価上昇)が起きています。こういった国や地域では法定通貨よりもビットコインが好まれる傾向にあります。極端な例ですが、同じくハイパーインフレの加速するジンバブエでは決済手段としての需要が極めて高く、今月には1ビットコインあたり150万円以上で高値更新をしました。

アルゼンチンがこれと全く同じということではありませんが、やはり需要が高いのは事実です。今後、ロサリオ先物取引所でビットコイン先物が上場されれば、アルゼンチンなど南米地域でさらに多くの人々がビットコインに触れることになります。インフレの課題は多いですが、少しでも経済が活性化されるのではないでしょうか。インフレ率の高い国では決済の需要が高いということも知っておく必要があるかもしれません。

6日19時現在、ビットコインは約84万円、直近24時間の変動は1.3%のマイナスとなっています。先のSegWit2Xによる分岐も懸念されていますが、一時調整的な下げとの見方がされています。

CMEにROFEXとビットコイン先物の上場が計画されていますが、あとに続く先物取引所も増えてくるかもしれません。新たな先物取引所からの発表にも期待されます。

参考:Bloomberg