15日、YouTuberのヒカル氏が所有している自身のVALUをすべて(5万VALU)売りに出し、これを買った人ら(VALUER)から不満の声が集まっている。このVALUの仕組みを利用して、利益を求めて購入していた人からは損をしたと騒ぎにもなっており、これに対し様々な意見が散見される。
VALUは仮想通貨のビットコイン(BTC)を使って、自分の価値を売買できるマイクロトレードサービス。VALUに登録すれば誰でも独自のトークン(株式のようなもの)を発行し、これを売ることでサービスの運営・開発などの活動資金にあてることができる。VALUERと呼ばれる購入者側はそれと対価に株主優待のような特典を受けられるとするものが多い。
しかし、VALUを購入したからといって、必ずしも特典が用意されているというわけでもなく、事実、ヒカル氏が発行しているVALUは現時点で優待などはないようだ。優待がなくても寄付感覚でVALUを購入する方もいるが、大方は利益を求めて参加するケースが多い。
今回の件は、連日高値のヒカル氏のVALUに注目が集まる中、14日にヒカル氏本人が「明日一気にバリューで動く」といった趣旨のツイートをしたことにより、さらに買いが強まり高値がついたところで、ヒカル氏が発行していたVALUをすべて放出したという流れだ。
以前には「VALU保有者限定のオフ会かセミナーを予定」といった優待情報も記載されていたため、利益よりも優待を楽しみにして、VALUを買った方からはがっかりしたという声も多く見られる。
しかし、VALUは発行者への応援の気持ちを表す特別なステータスのようなもので、個人の価値や信用を表す数字をビットコインを使って購入するサービス。仕組みが株式に似ていることもあり、勘違いをしてしまう方も少なくないが、株式とは全く異質のものであり、例えば発行者に対して経営権や支配権を得られるものではない。さらにVALUは、有価証券や前払式支払手段、法定通貨や仮想通貨の類にも属さないため、法的な介入もされない。気持ちとして多少の優待はあってもいいかもしれないが、基本的には見返りのない寄付と捉えた方が健全かもしれない。
現在もヒカル氏のVALUは売りに出されていて、1VALUに対し0.03BTCほどの価格が付いている。ヒカル氏がVALUをすべて売りに出した真意は定かではないが、今後は発行者のヒカル氏が介入しない形で、VALUER同士での完全な需給関係のみで価値が付くとなれば、広義で言えば非中央集権での価値の交換になるだろう。(株式会社VALUを含まない場合)賛否両論あるが、稼ぎたい気持ちだけで参加するのは危険なので、あくまでその発行者を応援できるか?という点を考えてから参加を望みたい。
擁護するつもりは一切ないことを前に置くが、VALUサービスの規約違反にあたれば褒められたことではないが、とくに犯罪行為を犯していないのに、「詐欺」や「事件」と炎上してしまうのは、ヒカル氏の影響力の高さからだろうか。関係者に対してインサイダー疑惑だとする声も見られ、多方面で話題になっており、これに対しどのような対応をするのか今後の展開が注目されている。