米国の内国歳入庁(IRS)が、必要な税金を支払っていない仮想通貨保有者に対し1万通の手紙を送付したことを発表した。手紙は対象者に対し8月中に届く予定としている。今回1万人に対して手紙を送付する事となったが、厳密に対象者を測るとさらに多くの数値となる可能性もある。
IRSによれば、納税義務を負う者はこの手紙を深刻に受け止め、納税額を見直し、必要があれば修正して税金を収め直すべきであると警告している。IRSの管轄は米国であるため直接日本に関わる事例ではないが、今回と同様の動きが日本においても起きる可能性は否めない。
IRSは仮想通貨を税法上の財産とみなしており、日本においても現在仮想通貨は厳密には暗号資産と呼ばれ、資産的価値を認められているものである。日本においては仮想通貨という概念が根強く、未だ資産と捉えずトレード可能なポイントといった認識で、税申告において軽んじている風潮もある。
法整備がされる以上、知らなかったで済まされるものでもないが、納税意識を高めていくためにも行政側からも告知を強めていく義務はあるだろう。今後日本でキャッシュレス化が進み、レジでの決済をこえて現在銀行を使用するような送金においても仮想通貨が取って代わるためには、仮想通貨での取引における税の発生も課題となる。
今回のIRSの決定が全てではないが、仮想通貨の利用による納税義務が発生するのであれば、それを拒むものには厳罰が課されていくケースも今後見受けられるだろう。
いまだ複雑な立場を取る仮想通貨だが、納税しやすい環境を作ることもまた利用しやすさにつながるだろう。環境構築は引き続き急務と言える見方も出てきている。
参考:IRS