FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が同社の2019年第2四半期決算の発表に伴い、Libraを含めた関連事業を説明する文章をFacebook上に投稿した。
Facebookは連邦取引委員会(FTC)とユーザーの個人情報流出に関して和解をし、日本円にして約5400億円に値する50億ドルの罰金を支払うことに同意した。また、ザッカーバーグ氏曰く再発防止のために「サービスの構築方法」「会社の運営方法」に大きな変更を加えたことを説明した。
FTCは単なる罰金だけではなく、Facebookから独立したプライバシー委員会を設立し、ザッカーバーグ氏が握っている決定権を一部以上することを求め、ザッカーバーグ氏も全てのシステムにおいてプライバシー保護の対策を組み込んでいく予定であることを明かした。
セキュリティを重視する背景にあるのは今後Libraを事業の軸として据えていきたい意図があることは間違いないだろう。今後は例えばクリエイターがInstagramで紹介している作品をそのままLibraで決済できるようになり、Facebookでの取引もまた同じLibraのアカウントで統合して行えるようになることでユーザー体験が向上することを信じているようだ。
情報の保管元として信用を著しく低下してしまっているFacebookであり、Facebook本体の信用回復も必須ではあるものの、Libraはあくまで独立した団体でありFacebookも参加する一グループに過ぎないという立場をとっている。
個人情報保護の熱は高まりを続けているが、Libraが取り扱うのはそれよりも更に機密レベルの高いと言える通貨そのものになる。金融業と同等レベルのセキュリティと責任を負う必要性を考えたら、個人情報の流出よりもさらにシビアな罰が課せられることは間違いない。
今後も全ての問題を解決するためにもFacebookは継続的に努力を続けて行く必要があり、プライバシー的な懸念の少ないビットコインなどの仮想通貨とシェアの奪い合いになることだろう。
人々が安全性を求めるのは当然のことである。今後安全性をアピールしていくのはどちらの陣営となるだろうか。
参考:Mark Zuckerberg(Facebook)