9日、麻生財務相が日本円紙幣1万円、5千円、千円札を刷新すると発表をした。新紙幣の発行は2024年度の上期がめどになると言われている。

導入時期について麻生氏は偽造防止の観点から約20年ごとに替えてきたと説明し、前回の紙幣刷新は2004年となっており、1万円札においては1984年以来となっている。

新しいデザインは1万円札が渋沢栄一、5千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎となっている。

紙幣刷新について約20年ごとの恒例となっていると思われるが今の時期それとは異なる狙いがあるとの見方がある。その一つに国として進めようとしているキャッシュレス化に向けて大きなきっかけとなる可能性がある。

新紙幣への切り替えには企業が自動預け払い機ATMや両替機、自動販売機など更新する必要があり、企業によってはビジネスチャンスと捉える企業もあれば、反対に大幅なコストに繋がるとの考えを持っている企業もある。

このことからコストや時間がかかるため、新紙幣をきっかけにキャッシュレス化のきっかけになる可能性があると考えられている。

先日、大手金融機関である三菱UFJ銀行がブロックチェーン技術を用いた独自のデジタル通貨であるcoin(コイン)を発行することを決定したこともあり、今後紙幣を使わないキャッシュレス文化が本格的に始まろうとしている。

今後、日本円は新紙幣以外に受け皿として利便性の高いcoinや他の新しいデジタル通貨、円に連動したステーブルコインに転化していくことも考えられ、ブロックチェーン技術はお金のあり方についても大きく変えようとしている。

それにより街中の金融機関は存在意義を無くすことにも繋がることから、大手金融機関は早めの措置をしていかなくてはならなくなる。賛否あるところだが、いずれにしろ新紙幣は日本全体をキャッシュレス社会へと導く大きなポイントになっていくことだろう。

参考:朝日新聞デジタル