ビジネス向けエンタープライズブロックチェーンソリューションの世界的な開発をしているR3社は5日、企業向けグローバルペイメントを促進する決済アプリ「Corda Settler」のリリースを発表した。

そしてこのCorda Settlerの最初の決済手段として使われることになった仮想通貨がリップル(XRP)だ。

R3は2017年9月、リップル社とXRPの購入についての事前合意にリップル社が違反したとして、デラウェア州とニューヨーク州で提訴していた。これに対し、リップル社はR3社が契約に関する多くの誓約を破ったとして、カリフォルニア州で反訴した。XRP契約について両社は対立し訴訟合戦へと発展していた。

約1年後の今年9月に、ようやく和解したことがリップル社から発表され、2社は長きに渡る法廷闘争に終止符を打った。その後は急速に事業展開を進め、今回R3のXRP活用が発表されたことで、2社の今後の成長へ期待感が高まってきた。

Corda Settlerは、オープンソースのCorDappであり、Cordaネットワークとの連携により、ネットワーク上で発生する支払いを暗号経路や他の暗号資産をサポートするあらゆるペイメントレールを介して解決できるようにし、リアルタイムに承認される即日決済を提供してくれるアプリケーションであると紹介されている。

R3のCTO(最高技術責任者)で、20年以上IBMに務めていた経験をもつベテランのRichard Gendal Brown氏はCorda Settlerについて以下のように語った。

「Corda Settlerの導入と決済メカニズムとしてのXRPのサポートは、世界で最も影響力のある仮想通貨とブロックチェーンコミュニティの2つが育んだエコシステムが如何に強力であるかを示すための重要なステップです。Settlerはあらゆる形態の暗号と従来の資産に開放されていますが、XRPを使用したこのデモンストレーションは、価値を移転して支払いを達成するデジタル資産の広範な受容と使用を示す次の論理的なステップであると言えます。」

ビジネスの過程でCordaに支払い義務が発生すると、XRPを使用して決済を依頼するオプションが追加される。Corda Settler上で相手にも通知され、その相手は指示に従い指定された期限前に支払いを行い(XRP送金)、支払金額の受領が確認された際には支払義務が清算されたものとして、Corda Settlerは双方にその旨を通知しCordaの台帳は更新される、といった流れになる。

先月には欧州14カ国の銀行がCordaのテストを完了したことを発表している。ブロックチェーン技術開発を進めているR3の動向から目が離せない。

参考:R3