NasdaqやFidelityといった世界の大手が大きな賭けに出ているようだ。現在仮想通貨の市場は全体の平均で80~90%の価値を失う弱気市場だ。しかし、それでもデジタル資産関連のビジネスとブロックチェーンプロトコルはいずれも大手機関から数千万ドルの資金を調達するなど活発な動きを見せている。

そして今月4日、世界第2位の株式市場オペレーターであるNasdaqと、世界で4番目に大きな資産管理会社であるFidelityが、「ErisX」と呼ばれる仮想通貨取引所に投資を行った。

ErisXは米巨大オンライン証券のTD Ameritradeをはじめ、シカゴ・オプション取引所(CBOE)など複数企業から投資を受けている新興仮想通貨取引所だ。今回ナスダック・ベンチャーズとフィデリティ・インベストメンツから、わずか2ヶ月で約2,750万ドルの資金調達を確保した。

ErisXの主要出資企業であるTD Ameritradeの外国為替取引の責任者であるJ.B. Mackenzie氏は、「実際の取引所で顧客がどこにいても、規制された環境での取引を快適に感じることができるようなものを提供したかった。」と語り、同社のErisXへの投資は、米国市場の認定された投資家および小売トレーダーが、完全準拠および保護されたエコシステムのもとで投資を行うことができることをデモンストレートしてくれると説明した。

ErisXのCEOとなったThomas Chippas氏は、今後は全米に積極的にチームを拡大していき、最終的には米国50州すべての機関投資家と個人投資家に支援を提供し始めると述べた。

「最先端企業の資金援助の増加により、ErisXは機関投資家と個人投資家の両方に利用可能な最も安全で規制されたデジタル資産の提供を目指すことができるのです。2回目の資金調達を終え、私たちは現代的なプラットフォームを構築し、チームを拡大することができるようになりました。」

同社は2017年にすでに米商品先物取引委員会(CFTC)にデリバティブ清算機関(DCO)に書類を提出しており、2019年第2四半期には現物取引、2019年の後半には先物取引を開始する予定であるという。

来年1月にはインターコンチネンタル取引所(ICE)が主体の仮想通貨取引所Bakktもビットコイン先物取引プラットフォームの開始を予定しており、市場回復の期待が高まりそうだ。

参考:CCN