MUFG(三菱UFJフィナンシャルグループ)や三菱商事、英スタンダード・チャータード銀行などによるブロックチェーンを用いた国際送金の実験が完了したと、アユタヤ銀行(クルンシィ)が22日に発表しました。

実証実験はタイ中央銀行のサンドボックス事業として行われており、サンドボックスとは現行法の規制を一時的に停止する規制緩和策のことを指します。

この実験では、Ripple(リップル)開発のDLT技術、Interledgerが活用されており、三菱商事のタイ子会社が持つアユタヤ銀行の口座から、三菱商事のシンガポール子会社が持つスタンダード・チャータードの口座に数秒で送金が行われました。(タイ-シンガポール間での送金)

アユタヤ銀行のコンシューマーグループ&デジタルバンキング&イノベーション部門のThakorn Piyapan(タコーン・ピヤパン)氏によれば、ブロックチェーン技術ベースのトランザクションにより、子会社間の金融流動性をより柔軟で効率的に向上させると述べています。

アユタヤ銀行はMUFG傘下で、タイでは総資産で第5位に位置している銀行であるため、まずタイ国内にてアピールする事ができ、今後日本国内においても同様のサービスが展開されることも考えられます。

MUFGは自社でも、ブロックチェーンや仮想通貨に対する活動を活発にさせており、21日は米アカマイ・テクノロジーズと共同で、決済処理速度2秒以下、毎秒100万件超の取引を可能とする新型ブロックチェーンを開発したとし、来年を目処にIoT分野で活用させていく見通しです。

また、先週には独自のMUFGコインの大規模な実証実験を来年にも実施するとの報道も出ています。

今回の実証実験により今までの国際送金の在り方やイメージが変わって来ることも考えられ、三菱UFJのブランド価値も向上していくことでしょう。

また、同様にリップルの技術を送金に活用した取り組みはSBI Ripple Asia率いる内外為替一元化コンソーシアムでも取り組みが進められており、こちらも大きく注目されています。

この国際送金サービスが本格的に提供されれば、海外からの送金、もしくは海外へ送金する時に手数料が安くなるため、今後利用者が増えてくることでしょう。

参考:アユタヤ銀行