米大手金融のゴールドマン・サックスが2018年にビットコインのトレーディングデスクの業務を開始することが昨年報じられましたが、ゴールドマン・サックスのCEOである、ロイド・ブランクファイン氏はこれを否定しています。

昨年10月の時点でゴールドマン・サックスの広報担当である、ティファニー・ガルビン氏が「顧客に対してどのようなサービスを提供するのが最善か考えている。」と伝えており、その後12月にはトレーディングデスクの設置を予定していました。

また、広報部のマイケル・デュバリー氏は、「仮想通貨に対しての顧客のニーズに応える最善策を模索中です。」と伝えており、市場ではウォール街の風向きが変わるかもしれないといった声も聞かれました。この時にブランクファイン氏は、兌換紙幣から不換紙幣への移り変わりを引き合いに出し、「今後新しい価値を持つものが生まれてくる予感がする。」と、発言しています。

こういった流れから直接顧客に提供する可能性もあると憶測されていましたが、今回、ダボスで開催されている世界経済フォーラムの中で、CNBCのインタビューに対しブランクファイン氏は、その噂を一掃しました。

「私たちが言っているのは、弊社の将来のクライアントのためにビットコインの先物について明らかにしていたということです。弊社はプライム・ブローカー(主にヘッジファンドの運用者を顧客として、ファンド運用のためのサービスを提供する企業のこと。)としての立ち位置です。弊社のクライアントがやるというのならやるだけ。基本的なビットコイン事業については今のところは、やりません。」

最近、ゴールドマン・サックス資産運用部が発表したレポートでは、歴史上のバブルとビットコインを比較して、チューリップ球根やドットコムバブルの水準をはるかに上回っているという分析もされています。

ゴールドマン・サックスは慎重な経営姿勢でも知られていますから、ビットコインなど仮想通貨の取り扱いにしてもボラティリティ(価格変動率)の高さや顧客保護の観点からもまだ見定めているのかもしれません。

米政府の経済の回転ドアとして揶揄されることもあるゴールドマン・サックスだけに、今回のブランクファイン氏によるビットコイン取引の否定は米政府そのものの考えかもしれません。今後の展開が注目されています。

参考:CoinDesk , Cointelegraph