2017年までは仮想通貨取引所のサイトへのアクセス制限も視野に入れている、とコメントしていたロシア中央銀行の第1副総裁であるセルゲイ・シュべツォフ氏。

以前、「ロシア連邦貯蓄銀行(ズベルバンク)などが仮想通貨取引の導入を検討しているが、われわれは、いかなる仮想通貨の取引は母国のロシア国内の金融市場に対して悪い流れを生みだすと見解し、仮想通貨を公認しようと現段階では検討はしていない。」と発言をしましたが、その後は「スタートアップを支援する機関が不足している中で、ICOは大きな可能性を秘めています。」とコメントするなど一転してICOへの支援に前向きな姿勢を示しました。

シュべツォフ氏のコメントでも挙がっていたロシア貯蓄銀行ですが、そのCEOであるヘルマン・グレフ氏が以下のようにコメントをし、現地でも話題となっています。

「仮想通貨は規制すべきではない。仮想通貨はまだ開発段階の偉大な素晴らしい技術であり、まだ十分に理解できていないだけ。」

さらにグレフ氏は以下のように付け加えております。

「規制をする前に、ブロックチェーン技術と仮想通貨に関する規定の予備知識を整備することが必要である。価値を貯蔵するものではなく、現段階ではカジノや宝くじといったようなものにも危険性が潜むということを人々に伝えなければならない。」

仮想通貨の持つリスクの高さを伝えていくことが重要であると伝え、いかなる規制も考慮して検討すべきであると強調しました。仮想通貨をめぐる対応が一貫していなかったロシアの金融機関ですが、やっと足並みが揃ってきたようです。

つい先週はモスクワ証券取引所が「仮想通貨ベースの金融商品の取引を開始する準備は出来ている」とコメントし、仮想通貨デリバティブに対する肯定的な姿勢が見られたばかりです。

先端技術ゆえに最初は保守的な意見も多かったですが、徐々にその技術採用の利点を理解されてきており、考えの変化が各所で見え始めてきました。今後は法的枠組の整備なども焦点となってくるでしょう。

理解ができないものに対して嫌悪感を抱いたりするのは、人間という種が長い経験の中から得た習性ではありますが、一度理解してしまえばそれを利用し、さらに自分たちにとって有益なものにしていくことができる力が人間にはあります。

先日にはロシアのソブリン・ウエルス・ファンド、RDIFのCEOである、キリル・ドミトリエフ氏がブロックチェーン技術について、「多くの価値が生み出されるような技術です。」と語ったばかりです。

仮想通貨の持つ技術、ブロックチェーンが徐々に理解され始めてきたこれから、どのように変わっていくのでしょうか?便利になることと引き換えに代償もあると思いますが、今後どうなっていくのか楽しみでもあります。

参考:Ethereum World News