ロシアのソブリン・ウエルス・ファンド(政府が出資する投資ファンド)であるRDIFの最高責任者であるキリル・ドミトリエフ氏は、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)でCNBCに対して以下のように述べました。

「ロシアでも多くの人々がビットコインへの投資に興味を持っておりますが、我々にとってビットコインはただの“バブル”でしかないことは明確です。しかし、ブロックチェーン技術は間違いなく高い関連性があると感じております。」

現在、RDIFはいくつかのブロックチェーン取引を可能にしているインフラ整備への投資を検討しておりますが、まだ決定はしていない模様。ドミトリエフ氏は、ブロックチェーンなど技術的な面への支援には前向きのようですが、どうやら仮想通貨そのものに対する支援についてはそこまでのようです。加えてドミトリエフ氏は以下のように述べました。

「技術分野は投資の面で興味深い分野です。ブロックチェーンにおける技術だけでなく、オンラインの保健医療や、農業におけるビッグデータの活用、大企業に適用されることによって多くの価値が生み出されるような技術です。」

仮想通貨はロシアでも多くの注目を集めていることを認めつつも、RDIFとしては仮想通貨そのものではなく、それを構成しているブロックチェーンといった技術分野やインフラが今後注目すべき分野であることを指摘しました。

確かに仮想通貨は投資・投機の手段として多くの人の注目を集めておりますが、この仮想通貨を支えているブロックチェーンの技術は、様々な分野に応用がされ、今後この技術は社会のあり様を変えていくことになるでしょう。

この技術をもとに新しいサービスやビジネスがたくさん生まれてくる一方で、既存の金融サービスの在り方を一変させ始めてきているように、現在ある仕組みが変わっていくことで逆になくなっていく仕事も出てくる可能性が高いと考えられています。

最後にドミトリエフ氏は以下のように語りました。

「価値を見つけることは挑戦だ。バリエーション豊富な現代において本当に価値のあるものを見つけるのは非常に難しいことだ。」

お金とは価値を買う時に支払うものですが、仮想通貨の誕生により、お金の実体が無くなり価値だけが残りました。仮想通貨が誕生した先にある未来は一体どんな未来が待っているのでしょうか?急速に進化し続けているテクノロジーがもたらす未来への期待と興味は尽きることはありません。

※ソブリン・ウェルス・ファンドとは、国が余剰収益を賄い、国家に代わって様々な資産に投資することを可能にする“政府系ファンド”です。このファンドは、株式や債券から不動産、貴金属まで、幅広い金融資産に投資しておりますが、すべては投資からの“長期的な収益を得る”という目標を持っています。

ファンドは世界各国にあり、約10年前の3.4兆ドルから7.4兆ドルの運用資産を積み上げてきた巨大な投資媒体です。その運用規模が非常に巨大なため、世界のマーケットで大きな影響を及ぼす存在になってきております。政府系ファンドが仮想通貨をどのように見ているかということについては多くの人達が気になるところでしょう。

参考:CNBC