2017年は仮想通貨にとって大きな1年となりました。特に主要なビットコインやイーサリアム、リップルやライトコイン、またその他のコインの多くは価格を押し上げました。

11月から12月にかけては好循環が続き、ビットコインからアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)へと資金が移動され、一気に市場が拡大しました。また市場参加者が急増したことも影響していると考えられています。

ビットコインが過去最高値の20,000ドルを突き抜け、リップル(XRP)や、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)も後に続きました。これは仮想通貨市場に対して非常に強気な兆候でした。

1月2週からは、軟調な相場で、仮想通貨から他の仮想通貨への資金が循環されず、フィアット(ドルや円など法定通貨)もしくは、他の金融資産へと流れていきました。これを弱気と見るかは難しい所ですが、調整期間であることには間違いありません。

KEDGE Business School の教授である、Eric Pichet氏によると、仮想通貨は強気と弱気両方のケースがあり、そのシナリオを以下のように示しました。

「仮想通貨は全世界の人口のわずか0.01%しか所有していません。投機的なバブルの主な原因はFOMO(投資機会の損失に対する不安心理)によるもので、例えば世界人口の1%、今日の100倍まで所有者が増えれば、比例して市場も拡大するでしょう。」

今の100倍もの人口が市場に参加するのは、楽観的だと考えられますが、このところの市場参加者の増加傾向からPichet氏はシナリオのひとつとして主張しています。一方、弱気のケースでは以下のように想定しています。

「仮想通貨が直面する2つの主要な脅威に焦点を当てて考えます。まず1つはブロックチェーンシステムの脆弱性や偽のコイン(詐欺など)の流通です。もう1つの脅威は、世界各国の政府や中央銀行による使用を制限するなど協調的な努力による市場縮小です。」

最近、フランスとドイツは3月にアルゼンチンで行われるG20サミットで各参加国に仮想通貨の規制に対して話合う予定を明らかにしました。

また、IMF(国際通貨基金)では、国際的に協調しあうことが大事だとゲリー・ライス報道官により伝えられました。

仮想通貨取引の多い韓国での規制の報道が飛び交い、これを警戒した声も少なくありません。しかしながら、規制と言っても仮想通貨を禁止するということではなく、匿名での取引禁止など、市場の健全化を図る法整備といったほうが正しいかもしれません。すでに日本で行われているものと同様の方針が考えられています。

特に先週は高値からの調整と中国・韓国の規制のニュースが続き、これの影響で全面的に急落しました。仮想通貨は、このように相場が急変することもしばしばありますので、ボラティリティ(価格変動率)が特に拡大している時は大きくレバレッジを掛けた取引を控えるなど、必要最低限のリスク管理は求められます。市場活性化に向けて強気なシナリオが期待されます。

参考:Forbes