IMF(国際通貨基金)は、急騰する仮想通貨のリスクに対し警告するとともに国際的に協調するよう求めています。Bloombergによって伝えられています。

米ワシントンで行われた記者会見の中で、国際通貨基金のゲリー・ライス報道官は以下のように述べました。

「規制当局の間で、より大きな国際的な協議と協力が必要となってきています。」

ライス報道官は具体的にどういった協調をするべきかの詳細までは触れていませんが、特にビットコインのような仮想通貨は値動きの予測が困難で、投資するリスクが高いことについて指摘しました。

「価格が急上昇した際、市場参加者が購入のために借り入れを行っている場合は、特にリスクが累積する可能性があります。」

「人々はこういったリスクを認識し、必要なリスク管理の措置を講じることが重要です。」

仮想通貨はボラティリティ(価格変動率)の高さも一部では魅力的とされ、市場参加者も、ある種の熱狂状態だとも見られています。中には借金をしたり、少ない元手でも大きく取引をしたいと無理にレバレッジをかけた取引を行う例も散見されます。このように投機的なギャンブルとして参加する人の多くは資産を減らしています。

また、世界的に各国で話し合う必要があると考えているのは国際通貨基金だけではありません。フランスのルメール経済・財務相とドイツのアルトマイヤー財務相代行は共同で、3月にアルゼンチンで行われるG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)で仮想通貨について国際的な規制を話し合う予定です。

仮想通貨の課題として、投資のリスクだけでなく、マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金などがしばしば挙げられます。また、法の網をかいくぐった詐欺も多発しており、このすべてを浄化するのは時間がかかりそうですが、イノベーションの妨げにならない良い意味での規制による市場の健全化が求められています。

参考:Bloomberg