今月、特に注目されていた、CBOE(シカゴ・オプション取引所)と、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でのビットコイン先物取引の開始ですが、早くも日本国内では話題が落ち着いてきたと見られます。

しかし、世界最大の先物市場にビットコインが上場されるというのは仮想通貨にとって歴史的な出来事であることは間違いないでしょう。

これを受けて、大規模な資金流入を見込み、ウェルカムとする意見と、過熱気味な相場に対し大口な空売りが入るといった懸念する声に二分されました。

両取引所での上場直後は多少荒い値動きはありましたが、パニックになるような暴落は見られませんでした。取引開始から日も浅いので、まだ様子見も多いと思われます。

CBOEは、SEC(米証券取引委員会)に対し、2件のビットコインETF(ビットコイン価格連動型上場投資信託)をその市場に上場できるよう承認を求めています。これは、米ニューヨークに拠点を置きETFなどの商品をメインに取り扱うGraniteSharesによる商品で、GraniteShares Bitcoin ETFとGraniteShares Short Bitcoin ETFの2件になります。

SECでは今年3月にWinklevoss Bitcoin TrustのビットコインETFを却下しましたが、今回はCBOEとCMEという世界最大規模の市場で先物取引が開始され、取引の実績が認められれば、受け入れられる可能性も十分にあると市場では見解されています。

しかしながら、Bloomberg Televisionのインタビューで、規制当局の元理事であるDan Gallagher氏は、SECがビットコインETFをすぐに承認するとは考えにくいと述べています。

「真実として、(ビットコインETFは)SECが懸念しているもののひとつだと言われています。先物取引があるからといって、SECが急に取り合って承認することはないと思います。」

事実2013年以降、15種類以上のビットコイン関連のETFが提案されていますが、一部のアプリケーションは廃止されました。

しかし、Bloomberg Intelligenceのアナリスト、Eric Balchunasは、ビットコイン先物取引のデビューはETFの可能性を高めていると述べています。

「規制され、流動性の高い先物市場では、ビットコインETFが承認される可能性が劇的に高まっている。2018年の夏までにはビットコインETFが承認されるチャンスもあります。」

これまでSECはビットコインに連動したETFを承認していませんが、仮にこれが実現されれば、現物の価格も高騰すると考えられています。また、ビットコインに限らず、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のETFや仮想通貨関連のデリバティブも豊富になってくるでしょう。

参考:Bloomberg