米サイバーセキュリティ会社のCrowdStrikeのCEOである、ジョージ・クルツ氏は、北朝鮮がハッキングなどサイバー攻撃によってビットコインを盗んでいるとみています。CNBCによって伝えられています。

以前から、北朝鮮は外貨獲得のためにランサムウェアを仕掛けて、ビットコインを不正に入手しているといったことがまことしやかに話されていました。

ランサムウェアはマルウェアの一種。例えばランサムウェアのワナクライは今年の頭に流行しましたが、これにかかるとコンピューターを乗っ取られて、ロックされてしまいます。ロック解除をするための身代金としてビットコインを要求されるケースが相次いで問題となっています。

クルツ氏はCNBCの番組の中で以下のように述べました。

「サイバー攻撃によってより高い身代金を要求されています。将来の攻撃のために北朝鮮がビットコインを不正に集めていることを確信しています。」

また、クルツ氏は北朝鮮がビットコインを狙う理由として以下のようにも付け加えました。

「北朝鮮はビットコインの匿名性に目を付けています。ビットコインは制裁をかいくぐることも可能です。北朝鮮にとっては絶好の通貨でしょう。」

北朝鮮の隣国である、韓国では仮想通貨取引所のハッキングが増加しています。今年7月には大手取引所のBithumbがハッキング被害に遭いました。

同じく先日、取引所のYoubitがハッキングの被害により17%の資産を失ったとし、破産申請をしました。この攻撃は北朝鮮からの攻撃と考えられています。

「ワナクライの攻撃は世界中の病院、銀行、企業を傷つけました。そして北朝鮮のサイバー攻撃の威力を強調しています。そして私たちはこの3年間、能力が上がっているのをただ見てきただけです。」

厳しい経済制裁を行ったところで、結局ビットコインという抜け道が使われてしまうのは残念なことです。ビットコインにはメリット・デメリットがあり、そのデメリットをもろに悪用されてしまう例としてクルツ氏は挙げているようですが、こういった問題にももっと目を向けていく必要があるかもしれません。

また、いつ自身が利用している仮想通貨取引所がサイバー攻撃を受けるかも分かりませんので、取引をする際は自身の信用できると思う取引所を選ぶか、取引をする時以外はハードウェアウォレットなどに移動させて置くことも個人としてできる対策ではないでしょうか。まずは、このような犯罪がなくなることを願いたいです。

参考:CNBC