米国の経済誌Forbesの記者で、2010年にアイルランドで若いブローカーとして賞をもらった経歴もあるNaeem Aslam氏は24日、Forbesでリップルに対する厳しい見解を述べた。
リップル社には、ブロックチェーン技術を大手決済プロバイダや銀行と統合するという、一つの重要な使命がある。先週、米銀トップ10に入るPNC銀行が、RippleNetを顧客の国際支払いに利用すると発表した。同社のブロックチェーンソリューションであるxCurrentは、トランザクションを高速化するために使用される。
リップルにとっては良いニュースのように聞こえるが、ここでAslam氏が指摘しているのが、まだ銀行はその技術を使用していないという点だ。したがって、この発表は技術が実際に機能する明確な証拠にはならないという。
それにも関わらず、誇大広告が行われ、投資家たちはその情報をもとにXRPを“買い”に走っている点を、Aslam氏は危険視した。さらにこの一件は、同社が来月に支払いプラットフォームxRapidを開始する可能性があるというニュースによってさらに奨励されていると主張している。
xRapidはリアルタイム決済を可能にするプラットフォームであり、商用目的で構築されている。この特定のプラットフォームではリップル社のパイロットプログラムに参加しているいくつかの金融機関によって使用されるという明確な実績があるが、実績があるというだけで、肯定的な、または否定的なフィードバックすら無い。企業の誇大広告によって魅力的に見えるだけであると、Aslam氏は指摘した。
来月にリップルがxRapidをリリースし、成功したならばXRPの可能性は一気に広がるだろう。すぐに、パブからシーシャ(水タバコ)のカフェまで、リップルについて話している人々の声が聞こえ始め、市場はまた狂い出すとAslam氏は予測した。
同氏がビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に投資しているという点はさておき一連の指摘は果たして正しいのだろうか?
まず、銀行がリップルの技術を使っていないとする主張は間違っているだろう。すでにスペイン最大手サンタンデール銀行ではxCurrentを活用したOne Pay FXというサービスを提供している。
また、リップルとXRPを一部混同しているような聞こえもあるだろう。リップル社がXRPを使った事業を展開していることは事実だが、リップル社が製品の宣伝をすることにより投資家がXRPを買うという点は理解しがたい。リップル社はXRPを買うように勧めてはいないし、リップルとXRPは別物だと明文化している。
仮想通貨を巡っては専門的な知識が求められることが多いため、しばしば間違った情報を元に投資の判断をしてしまい失敗してしまうケースも見られる。Aslam氏の見解は正しいのか否か、時間が答えを教えてくれるだろう。
参考:Forbes