米大手金融、ゴールドマン・サックスは12月10日から開始されるCBOE(シカゴ・オプション取引所)と、12月18日から開始されるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に於けるビットコイン先物取引の取り次ぎ業務をリスク管理がしっかりしていると認められる顧客に限り行うことを発表しました。

シカゴ・オプション取引所、及びシカゴ・マーカンタイル取引所でのビットコイン先物取引は大手銀行や大手証券での取り扱いが少ないと見られていましたので、ゴールドマン・サックスで取り扱いが始まれば、その影響は仮想通貨市場にとって無視できるものではないでしょう。

ゴールドマン・サックスは、TD AmeritradeとAlly Investの2社の先物ブローカーを通じて、ゴールドマン・サックスの顧客が発注するシカゴ・オプション取引所、及びシカゴ・マーカンタイル取引所のビットコイン先物取引取り扱いの当面のポリシーは自社での在庫・ポジションを持たないでブローカーに徹することとしています。

また、今までビットコインに対してネガティブな姿勢を取っていた、JPモルガンチェースでもビットコイン先物取引の取次ぎ業務への参加を検討しています。

Bloombergによると、ゴールドマン・サックスの広報担当者である、Tiffany Galvin氏は次のように述べています。

「ビットコイン先物取引が、新しい金融商品であるという前提で当社の通常のリスク管理、コンプライアンス、デューデリジェンスを完了し、当社の取り扱い商品として認定しました。当社としては、当面の間、同金融商品の在庫・ポジションを持たず、ブローカー業務に徹してリスクを最小にします。」

ゴールドマン・サックスのCEOである、Lloyd Blankfein氏は慎重な経営姿勢でも知られていますが、ビットコインに対しては前向きな考えを持っているようです。Blankfein氏は以下のように述べています。

「私は多くの歴史書を読み、次のような考えに至りました。5ドル相当の通貨は5ドルの価値しかないという兌換紙幣の時代を経て、現在は紙切れが価値を生む不換紙幣の時代に移り変わってきています。これは新しい流れで、つまりコンセンサス(人々の合意)が価値を生み、このコンセンサスに裏打ちされた新しい価値が生まれてくる予感がします。」

ゴールドマン・サックスは経営幹部が財務長官になったり、米政府の財務省幹部が、ゴールドマン・サックスの社長になったりと、米政府とゴールドマン・サックスの経営幹部の回転ドア呼ばれるほどです。つまり、ゴールドマン・サックスは米政府そのものとも言われています。

現在のゴールドマン・サックスの経営幹部にはSteve Mnuchin元財務長官や、James Donovan元副財務長官がいます。ジョージブッシュ元大統領は、元ゴールドマン・サックスのHank Paulson氏を財務長官に任命したこともあります。

米経済に影響力のあるゴールドマン・サックスがビットコイン先物の取次開始をすれば、さらなる市場規模拡大が期待できます。

参考:Bloomberg , Cointelegraph