シンガポールで開催されたFintech Festival(フィンテックフェスティバル)の中でイーサリアムの共同創始者であるJoseph Lubin氏とリップル社のCEOであるBrad Garlinghouse氏がCNBCのインタビューでICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の発行による資金調達)に対する見解を語りました。
Lubin氏は、多くのプロジェクトには価値がなく、中国の規制には意味があったとしています。
「多くのICOは模倣品のプロジェクトに過ぎず、購入者に価値を提供する予定がありません。」
「中国の政治的アプローチは、非常に意味がありました。詐欺が横行していたため、彼らにとって収益構造をより良く、そしてより深く理解し、潜在的な詐欺加害者を脅かすために一度立ち止めるための良い機会となりました。」
Garlinghouse氏は、プロジェクトのほとんどが意図的に不正を行っている可能性があると考えています。
「以前は不可能だったことを、デジタルアセットとブロックチェーン技術を使えば、摩擦を減らし、コストを削減し、本当に素晴らしいことが実現できます。それらに焦点を当てるのではなく、グレーゾーンで行われています。」
「長期的には、グレーゾーンはなくなるでしょう。証券市場では、投資家と企業の両方を保護するためのルールづくりが何十年もかかりました。これもデジタルトークンで起こります。」
「ICO市場で起きていることの多くは実際には詐欺だと思います。最終的にはストップすると考えています。」
現在、多くのスタートアップなどがICOを行い、プロジェクトの開発費に充て、また、出資者はそのプロジェクトを応援、もしくは上場後の値上がりを目的にICOで発行された仮想通貨を購入しています。
今年9月には中国でICOを禁止するなど、一時市場は混乱を招きました。韓国でも同様にICOを禁止すると発表され、ICOに対する規制の風向きが強まっています。
素晴らしいと思えるプロジェクトもありますが、ずさんな内容や資金調達後に開発がストップするような詐欺的なものも多く、SEC(米証券取引委員会)やMAS(シンガポール金融管理局)、日本では金融庁がICOについて注意喚起を行うなど各国で対応に追われています。
今後、日本でもICOや仮想通貨の規制に関して、さらに法的な枠組みが作られ健全な市場作りが進んでいくと考えられます。しかし、Lubin氏とGarlinghouse氏が話す通り、詐欺的なものが増えていることは確かです。ICOに参加する際にはそのプロジェクトが本当に自己資金を出資するに値するものなのか、しっかりと下調べと検討をした上で参加するようご注意ください。
参考:CNBC