マイクロソフトの創設者であるビル・ゲイツ氏とその妻であるメリンダ氏による世界最大の慈善基金団体、Bill and Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)がリップルにより開発されたオープンソースソフトウェアMojaloopを発表した。
Mojaloopは主に発展途上国の貧困層など銀行口座を持っていない人でもモバイルウォレットがあれば金融サービスを受けられるプラットフォーム構築ソフトウェア。これにリップルのシステムILP(インターレジャープロトコル)を利用することで、決済サービスプロバイダや金融機関、各企業から政府機関までさまざまな金融ネットワークに相互互換性を持たせた上で繋ぐことが可能になる。
このMojaloopはビル&メリンダ・ゲイツ財団による資金提供により、リップルとともにDwolla、ModusBox、Software Group、Crosslake Technologiesの5社に開発を行われた。
世界の貧困層は20億人にものぼり、その90%が銀行口座を持たないがモバイルネットワークを利用しているという。また、その需要も多く求められていることが考えられ、こういった人々にMojaloopが行き渡れば発展途上国の経済成長に大きな効果が期待される。
さらに今回のプロジェクトでは、Mojaloopの開発に加えて、Ericsson、Huawei、Mahindra Comviva、Telepinの4社の大手モバイル企業が、統合のスピードを上げるためのオープンAPIの開発を進めている。
また、今回のプロジェクトについてHuaweiのShi Yaohong氏は次のように述べている。
「モバイルマネーの潜在能力を最大限に発揮するためには、従来の複雑なデジタルペイメントのエコシステムを変える必要があります。Mojaloopを活用し、貧困層や低所得層のすべての顧客にデジタル金融サービスを提供するという目標を達成することを楽しみにしています。」
ビル&メリンダ・ゲイツ財団では途上国など貧困層に向けた医療や教育、技術、経済など多岐に渡って支援を行っているが、今回のプロジェクトにより、リップルを筆頭に多くのフィンテック企業がこういった国や地域に貢献していくことで、途上国の成長にも期待が高まる。
17日現在、リップル(XRP)は29円ほどを推移しており、昨日はこの発表により一時的な上昇も見られた。今後の発表により価格に影響されるのかも注目をしておきたい。
16日から開催されているリップル社によるカンファレンス「SWELL」。本日はwwwの開発者であるティム・バーナーズ=リー氏の基調講演や、SBIレミット代表取締役の安藤伸生氏、MUFGデジタルイノベーション推進部長である相原寛史氏らによるリップルを利用する上でのビジネス・ケースについての議論や、イーサリアム開発者のVitalik Buterin氏、Hyperledgerプロジェクト理事のBrian Behlendorf氏、Chain Inc社長のTom Jessop氏によるディスカッションも行われる。
引き続きSWELLでどのような内容が発表されるのか、仮想通貨投資家のみならず、技術者や金融関係者など方方から注目されている。