仮想通貨のビットコイン(BTC)が高騰を続けています。20日にはUSDの代替などに使われる仮想通貨Tether(USDT)がハッキングされ、35億円もの盗難被害があったと発表があり、一時下落しましたが早々に回復し、22日17時現在では8,200ドル(約92万円)と高値続伸しています。(CoinMarketCapの統計より)

目先の材料としては、注目されているCMEグループによるビットコイン先物の上場が12月の2週目を目処に予定され、これに対しJPモルガン・チェースでも顧客に先物取引を提供するか検討しているということが強気に捉えられるでしょう。

CMEグループは世界最大規模の先物・オプションの国際市場です。また、JPモルガン・チェースは米国最大の資産を擁する銀行としても知られています。JPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は以前ビットコインに対して懐疑的な姿勢でしたが検討しているということから、認めざるを得ない状況になっているのでしょうか。

また、ビットコインを巡っては度重なる分裂も予定されており、例えば2018年1月にビットコインキャッシュプラス(BCP)というものや、その他にも多くのプロジェクトが続出しています。今月21日には先月分裂したビットコインゴールド(BTG)が早速海外の仮想通貨取引所で取引がされています。(Bittrexなど)

取引開始後に3倍近くまで高騰するなど、値動きは荒いですが、直ぐに売却して、ビットコインを追加で購入するといった声も散見されます。これにより少なからずビットコインの買いが強まったという見方もできます。

また、国内では大手「Coincheck(コインチェック)」や「bitFlyer(ビットフライヤー)」などがビットコインゴールドをユーザーに提供しても安全だと判断した場合は付与する予定としています。

今月Segwit2xを回避したのも束の間、来月、再来月とビットコイン分裂のプロジェクトが発表されていますが、現状、どのプロジェクトがコミュニティに求められるものなのか、果たしてこれ以上分裂させることに意味があるのかにも疑問符が付きます。スーパービットコインやビットコインシルバー、ビットコインダイヤモンドなどには需要があるのでしょうか。

仮想通貨市場での基軸通貨としても多くの需要があるビットコインだけに、ムダな懸念材料はできれば避けたいものです。今後予定の分裂でも各取引所がどういった対応を取るのか、ご自身がご利用されている取引所の公式のアナウンスを確認するようご注意ください。ビットコインキャッシュプラスの付与目的にビットコインを購入したはいいが、付与されずに価格が下落してしまうようなことがあれば、目もあてられません。

さまざまな思惑が交錯するビットコイン市場ですが、時価総額は15兆円。仮想通貨全体では27兆円と、全体的にも市場が拡大しているのが分かります。ビットコイン価格も100万円を狙っている今、どこまで拡大し続けるのか今後の動向から目が離せません。