18日、「合同会社リップルトレードジャパン」という名称で、仮想通貨取引所を運営していた竹中優樹容疑者(31)が顧客から金銭を騙し取った疑いで逮捕されたことが分かりました。竹中容疑者は大筋で容疑を認めているとのことです。

名称がリップルトレードジャパンと、米Ripple(リップル)社に名称を似せていることからネット上やSNSでは多くの誤解や混乱を招いていますが、この詐欺会社はリップル社とは一切関係がなく、代理店やその類のものでもありません。一部の投資家の間では仮想通貨のリップル(XRP)に対して誤った解釈をしてしまい混乱されている声も見られますが、ひとつの仮想通貨取引所がXRPを悪用して資金を集めていたということです。

事件の経緯ですが、この会社は2014年5月から運営しており2015年3月ころから出金停止、音信普通の状態になっていたとのことで、この時点で実質破綻していたにも関わらずIOU(I Owe You:仮想通貨の電子借用証書)を発行し、仮想通貨のリップルと交換できるとウソをつき、顧客から140万円を騙し取ったとのことです。また、警視庁によると、このIOUで合計1億2,000万円を不正に得ていた疑いもあるとして調べを進めています。

取引所の名前が紛らわしいこと、扱っていた通貨の種類で、リップル社と関係があると思われてしまうことは非常に残念なことです。一切関係がありませんので誤解してしまわないようご注意ください。

また、こういった事件の際にフェイクニュースを流したり、便乗して煽りなどを行う人も出てくる可能性がありますので、仮想通貨に投資している方は情報に偏りがないよう、真贋見極めて判断するようご注意ください。

仮想通貨を巡っては、さまざまなトラブルがあります。実在しないICOを騙る詐欺であったり、ハッキングによる盗難などが各国で相次いでいるのは事実です。

世界的にも波及し大きな事件となったのはマウント・ゴックス社のビットコイン消失でしょうか。この事件は現在も裁判中であり、真犯人とされる人物がギリシャで逮捕されたことも記憶に新しいかと思います。

今回は「リップル」といった名前が使われていましたが、「ビットコイン」や「イーサリアム」、「ネム」などの仮想通貨でも同じことが言えます。

正しい知識で法律に基づいた上で仮想通貨に投資をするのは健全です。今回の件で日本の仮想通貨市場にネガティブなイメージがつかないことを願います。