ベルギーに本部を置く、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(国際銀行間通信協会)、通称SWIFTが主催する金融業界向けの大型イベント、Sibosの開催が迫っている。開催期間は10月16日から19日まで、加トロントにて行われる。

昨今、話題となっている銀行間や国際送金に仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーン技術やDLT(分散型台帳技術)といったフィンテックを活用することや、SWIFTのシステムを脅かすハッキングなどサイバー攻撃から守るデータ管理、デジタル化による次世代型送金などその他にもバンキング全体の在り方などについても議論がされるとプログラムの発表がされた。

参加企業や講演者なども錚々たるメンバーが揃っており、例えばRBC(カナダロイヤル銀行)やJPモルガンやUBS、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、BNPパリバ、BNYメロン、日本からもNTTデータ、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行とメガバンク3行、中央銀行ではECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備銀行)など他にも数多くの企業や政府機関が一介に集まる。まさに金融業界の祭典とも言えるイベントではないだろうか。

また、こういった企業が集まる中、同じ期間中に同じくトロントでカンファレンス「SWELL」を開催するRipple(リップル)もSibosにも参加する。ここで、気になるのがSibosでも出展し、同じトロントでSWELLを開催するのには何か深い意味があるのではと市場では憶測が飛び交っており、SWIFTとの連携など重大発表があるのではというルーマーまで散見される。

仮にこれが実現すれば、バンキングに革命を起こすことは間違いないが、現時点では技術的には可能であっても各国の法律や政治的要因からおそらく時間は掛かるだろう。

世界中から金融関係者が集まるため、出展をすれば認知が高まることは間違いない。さらにその会場の近くでイベントを行うことでSibosの集客効果を利用した戦略との見解もある。ちなみにSibosへの出展費用はかなり高額なことでも知られている。

リップル主催のSWELLも錚々たるメンバーでwwwの産みの親であるティム・バーナーズ=リー氏や、前FRB議長のベン・バーナンキ氏が基調講演を行う。他にもSBI Ripple AsiaのCEOである沖田貴史氏やイーサリアムの開発者であるVitalik Buterin氏らを筆頭に多くの識者による議論が行われる。

また、SWELLでは重大な発表があると、リップル社CEOのBrad Garlinghouse氏が先日話したことでも注目が集まっている。SibosにSWELL、金融関係者のみならず技術者や投資家たちも注目する2大イベントに期待が高まる。

参考:Sibos 2017 Toront , Swell by Ripple