世界各国の金融機関との提携を行っているRipple(リップル)社が、シンガポールに新しくオフィスを設立することが分かった。

リップル社は送金のネットワーク構築に力を入れている米サンフランシスコに拠点を置くフィンテック企業。日本国内ではSBIグループ傘下のSBIレミットと提携し、SBI Ripple Asiaと共同で日本・タイ国間での送金ネットワークに利用されるなどで知られている。

今回進出するシンガポールは、アジア圏においてフィンテックが盛んなことでも有名だ。また、仮想通貨に対する姿勢はMAS(シンガポール金融管理局)が積極的な取り組みを行っている。

例えばICOについて一方的に規制を強めるというよりも投資家保護に向けて注意喚起をするなど注意を呼びかけている。傍らでは証券先物法に抵触する可能性があるものは規制されると方針を示していた。

経済も活性的で、IMF(国際通貨基金)の統計では、2015年のシンガポールのGDPは約3,000億ドル。一人当たりで約5万3,000ドルと高水準である。

米国のシンクタンクが2017年に発表した世界都市ランキングでは、世界6位の都市と評価され、アジアでは東京、香港に次いで3位。

世界経済フォーラムの2016年の報告書では、国際競争力が非常に強く、スイスに次ぐ世界2位の国と評価された、アジアを代表する金融センターである。

2015年の統計では貿易取引額は年間5,500億ドルと莫大な貿易が行われており、世界のフィンテックセンターとして今後、より高まる決済手段・送金ソリューションのニーズへ応えることが狙いと考えられる。

少し気が早い話ではあるがシンガポールの送金シェアを獲得し、リップルの送金ネットワークが活用されていけば、ブリッジ通貨としてXRPが使われることは明らか。これによって流動性が高まることにも期待されている。

XRPは、ここのところ軟調な相場が続いており、26日現在では1XRPあたり20円前後を推移している。日本やインド、タイ、中国の送金シェア獲得に向けた動きもあり、アジアを中心に着実に進出しているリップル社。市場からは相場含め今後のリップル社の動向にも注目されている。

参考:Ripple