仮想通貨を巡って各国での法的対応が分かれている。しかしながらどの国においてもブロックチェーン技術においては無視できるものではなく、技術革新を受け入れていることは確かなようだ。
アフリカ最多の人口1億9,000万人を誇るナイジェリアではCentral Bank of Nigeria(ナイジェリア中央銀行)が、仮想通貨とその根幹技術であるブロックチェーン技術にも目を向けているという。
しかし、以前からナイジェリアではビットコインなど仮想通貨は、制限や没収を超えた個人資産の出口に利用されると考えられていたため、取引方法の方針が規定されるまで、仮想通貨を受け入れるには注意が必要だと懸念されていた。
ナイジェリア中央銀行副局長のMusa Jimoh(ムサ・ジモ)氏は、ナイジェリア最大の都市、ラゴスで開催された仮想通貨に焦点をあてたカンファレンスの中で講演した。
関心深い点としては、ジモ氏がどのように理解し、枠組みしているかということについて「中央銀行ではブロックチェーン技術とその派生物(仮想通貨)によって生み出された波の流れを止めることはできません。」とコメントをした。
また、Information Security Society of Africa Nigeria(ナイジェリアの情報セキュリティ協会)のDavid Isiawe会長は、「今日、特にナイジェリアでは、DLT(分散型台帳技術)やブロックチェーン技術および仮想通貨は、私たちが好意的であるかどうかに関わらず、私たちが直面しなければならないのは事実です。この現実を遠ざけることはできません。現在、電子商取引やその他の電子決済システムの課題に取り組んでいると認識しても日進月歩、技術開発は進められていきます。」と述べ、「ブロックチェーン技術と仮想通貨の影響は、国際社会と同じように国民も関心を示している。ナイジェリアは、これらの技術が生活や事業の運営にどのような影響を及ぼしているかを考察し、積極的に対応する必要があります。」と受け入れる必要性があることを露わにした。
Digital EncodeのCTO、Oluseyi Akindeinde氏は「ブロックチェーン上では仮想通貨である必要があり、ナイジェリアの法定通貨のナイラを使うことはできないが、金融機関に行くことなくP2Pでの取引や不動産の登録、証券取引など、価値のあるものはすべてブロックチェーン上で使うことができます。」と説明した。
このように中央銀行の関係者だけでなく、技術者側の意見も交えて議論をかわすことは大変意義がある。中央銀行が、こういった技術説明を受けることで、ナイジェリアでもナイラの暗号化を検討する可能性も出てくるだろうか。
多くの国では法整備を進め、投資家保護に向け取引所を登録制にしたり、違法性の認められるものに関しては規制対象とするなど、また中央銀行により自国通貨を暗号化し、CBCC(中央銀行発行の仮想通貨)の発行を構想・検討しており、国際間での新しい送金システムに向けて体制を整えている。
こと、人口の多いナイジェリア。ナイラを暗号化することになれば多くの人がブロックチェーンによる恩恵を受けることができるだろう。今後ますますの技術発展に期待が高まっている。
参考:The Guardian